結論から先に申し上げると、「お酒で太る」というのはウソです。
アルコール類はわりとカロリーがあることが知られています。たとえば、ビール500㎖は約200k㎈で、これはごはん1膳分のカロリーに相当します。だから、「こんなカロリーが高いものを何杯も飲み続ければ当然太る」と思ってしまう人が多いのでしょう。
しかし、こうしたアルコール自体のカロリーが肥満につながることはありません。その理由は、アルコールに含まれるエネルギーの多くがすぐに熱量として放出されてしまうから。放出されてしまって体内でエネルギーとして利用されることがないために、「アルコールはエンプティカロリー」という言われ方がされているわけです。
つまり、アルコールをたくさん飲んだとしても、そのカロリーやエネルギーが体内に蓄積されることはなく、結果、「お酒で太るはウソである」ということになります。
酒太りの原因の9割は「つまみ」
では、お酒をよく飲む人にはどうして太った人が多いのでしょう。
じつは、太る原因はアルコールではなく、一緒に食べるおつまみなのです。酒が入るとついつい数多くのつまみを口に入れてしまうことが多いもの。酒太りの原因の9割はつまみだと言ってもいいでしょう。
とりわけ、要注意なのが糖質の多いつまみです。
居酒屋によくあるメニューを挙げると、フライドポテト、ポテトサラダ、肉じゃが、ピザ、チヂミ、たこ焼き、ビーフン、焼きそば、焼きうどん、フルーツサラダ、フルーツ盛り合わせ……こうしたつまみに含まれる糖質は、お酒と一緒に摂取すると、より吸収されやすくなることが分かっているのです。
また、さんざん飲んでつまんだ後の「締め」として、ラーメン、お茶漬け、雑炊、おにぎりなどを食べていれば、当然、追い打ちをかけるように大量の糖質が入ってくることになります。
これだけ多くの糖質を摂っていれば太らないわけがありません。「つまみ」や「締めの炭水化物」に含まれる糖質は、体内に入るとブドウ糖から中性脂肪へと変換されます。そして、その中性脂肪が「皮下脂肪」や「内臓脂肪」「肝臓の脂肪」として次々に蓄積されていくことになるわけです。

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