57歳でJAXAを定年前退職してフリーランスに。宇宙飛行士・野口聡一氏に聞く世代別転職アドバイス
「宇宙飛行士だけでなくすべてのキャリアに共通すると思いますけど、年齢によるリミットに日本人はちょっと過剰反応しすぎだと思います。もちろん、出産については生物学的な問題はあると思います。
しかし、キャリアを積み重ねていく、この資格を取るみたいな側面においては、『私は20代じゃないから挑戦できない』というようなことはなくなってきている。年齢の制約以上に本人のモチベーションとか、やる気の問題ですよね。明確にアメリカ人の方が年齢で何かを諦めるっていうことはありませんね。アメリカの人たちは自分の人生をコントロールできることに幸福感を感じていると思います」
いつまで我々は現役でいられるのか?
20代、30~40代、50代、女性……とさまざまな人の話を聞いてきたが、最後に我々より上の世代、60代以降の世代はどうだろうか? 野口さんはいくつまで現役でいられる、仕事ができると思っていらっしゃるのだろうか?
「先日出した本のタイトルで『50歳からはじめる定年前退職』って、年齢を言っちゃってるからちょっと言いにくいんですけど、年齢で決めるべきではないと思います。『Age is just a number』、つまり年齢は数字に過ぎないんです。50歳になったら辞めようとか、30歳になったから落ち着こうとかいうことではなくて、何をする、しないは自分で決めていく。
それが自分の評価軸。そこに向けて、能力や、やる気など、自分の持ってるものを棚卸しして、評価軸を自分のところに持っていく。それがやりたいことをやるための戦略的な生き方だと思います」

実は、取材は非常に限られた時間で、筆者は矢継ぎ早に質問を投げ掛けたのだが、野口さんは非常に適確にすべての質問を拾って回答してくださった。
実際にお会いしてみても、今59歳という年齢が信じられないほと体幹がしっかりした頑強な感じのお身体で、そういう意味ではやはり『スーパーマン』なのだと思うが、そんな野口さんでも、やはり組織の中で悩みがあり、それに対処していらっしゃったということに非常に説得力を感じた。
宇宙飛行士としてさまざまな経験をしていらっしゃったことが、『さまざまな問題に対処する能力』として、身体に染みついているようで、どのお答えも非常に参考になった。
みなさんも、宇宙飛行士野口聡一流の問題対処術、ぜひ参考にしていただきたい。
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