57歳でJAXAを定年前退職してフリーランスに。宇宙飛行士・野口聡一氏に聞く世代別転職アドバイス

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多くの人にとって、会社を辞める、転職する、フリーランスになるっていうのは、同じように困難なことだ。そういう『悩める会社員』のためにアドバイスをいただいた。

「会社に入ったら、『上司にどう言われるか』『これをやると、上司に嫌がられるんじゃないか?』みたいなことに振り回されます。私もそうでした。JAXAはいい組織でしたが、それでもやっぱりそういうことがある。『評価軸を組織から自分に引き戻す』ことが大切です。

我々は、ずっと他人からどう評価されるかを気にして生きてるわけですよ。受験勉強もそうですよね。他人が作ったテストの問題を解いて、その点数で行ける大学、入れる会社が決まっていく。宇宙飛行士でも、オリンピックに出るようなプロアスリートでもそうだと思うんですよ」

野口聡一
宇宙飛行士だった野口さんでさえ、JAXAではオフィスの『半径5m』の人間関係に悩み、上司のマイクロマネジメントにストレスを感じたという(写真:筆者撮影)

我々一般人からすると、宇宙飛行士やスポーツ選手は、すごく注目されて、収入も高そうだし、うらやましく感じる。退職しても、資産や経験や名声がある分、有利じゃないかと思う。しかし、一度高くなったところから、下がるという落差が人の心を蝕むのだという。

転職するにしろ、退職してフリーランスになるにしろ、『評価軸を自分に引き戻す』ということが大切なのだそうだ。

実は、筆者も3年前に50代で会社を辞めてフリーランスとして生活しており、この『評価軸を自分に引き戻す』という話には強く共感した。

「自分には無理」高い目標に挑戦する時の考え方

次は、これから目標を立てて、人生にチャレンジする若者目線での質問をしてみた。我々一般人は高すぎる目標には恐れをなしてしまう。「東大に行く」「宇宙飛行士になる」「プロスポーツ選手になる」などという高い目標は「自分には無理だ」と思ってしまう。

野口聡一
野口さんは、4度のEVA(船外活動)を行った。船内にいるのとは違う、圧倒的に特別な体験だったという(写真:NASA)

野口さんはIHIの会社員だった1996年にNASDA(現JAXA)の宇宙飛行士募集に応募して572人の受験者の中から宇宙飛行士候補者に選ばれた。そこから長い訓練期間があり、さらにコロンビア号空中分解事故によるスペースシャトルの運用中止などがあって『候補』のままの状態が続いて、初めて宇宙に行ったのは2005年と9年後。

どうやってその間、モチベーションを維持したのだろう? 宇宙飛行士のような達成困難な目標を目指す時、どう考えればいいのだろうか?

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