日本は衰退「食堂車と車内販売」欧州鉄道最新事情 「昔ながら」の形は減っても食事の提供は堅持
こうした現状を見ると、今の欧州鉄道では昔ながらの食堂車が減る中で、
・そのほかにビュッフェカウンターやワゴンサービスでの販売
の組み合わせが主流になりつつあるといえる。
近年では座席にQRコードを貼り、そのURLを通じて座席から飲食物が注文できるという「デリバリー」も増えてきた。東海道・山陽新幹線のグリーン車と同じ方式だ。これならスタッフが車内を歩いて配達できるので、大きなワゴンにあらゆる商品を載せ、揺れる車内を押して回るといった面倒はなくなる。
イギリスの観光需要が高い路線では、普通列車でも車内販売のワゴンサービスを入れているケースが見られる。沿線みやげや列車に関する記念品も販売する「売り子さん」に敬意を示し、ついあれこれと買ってしまったりする。


乗り継ぎ便利な国で日本式「駅弁」?
近年は、車内に自動販売機やコーヒーマシン(課金あり)を置いて利用客の需要を満たすという例も見られるようになった。
ただ、欧州ではそもそも自販機の普及度合いが低く、欠品や故障が多いことも問題だ。そんな事情もあってか、利用客の多くは自販機を当てにせず、あらかじめ駅構内売店でほしいものを買って車内に乗り込んでいるようだ。コーヒーマシンが置いてある車両を見つけても、実際に購入している人を見たことがない。
そんな中、日本式の「駅弁」が欧州に広がる可能性もある。今年2月、日本の老舗駅弁メーカー3社が協働し、スイスのチューリッヒ中央駅で駅弁専門ポップアップショップ「EKIBEN JAPAN」が約3週間営業した。連日多くの客で賑わい、毎日用意した準備数が開店から2時間余りで売り切れたという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら