衰退から一転、復活した欧州「夜行列車」最新事情 車両は古くても安さと車内サービスで快進撃
一時期は衰退傾向にあったものの、環境に配慮した交通機関が注目を集めるヨーロッパで見直しの機運が高まり、活性化が進む夜行列車。新興企業の参入も増え、旧国鉄系の鉄道会社が運行する旧態依然とした夜行列車とは異なる充実したサービスで利用者の人気を集めている。一方で、迎え撃つ旧国鉄系もこの動きをただ見ているだけではない。夜行列車ブームの欧州でどのような列車、そしてサービスが登場しているのか、最新の動きを紹介する。
運行開始から半年で路線を拡大
新興の民間列車運行会社「ヨーロピアン・スリーパー」は、今年2023年5月25日から開始したブリュッセル(ベルギー)―ベルリン(ドイツ)間の寝台サービスを、2024年3月からドレスデン(ドイツ)とプラハ(チェコ)まで延長すると発表した。
ヨーロピアン・スリーパーはオランダの起業家、エルマー・ファン・ブーレン氏とクリス・エンゲルスマン氏によって2021年に立ち上げられ、今年10月9日に3回目の資金調達を完了した。同社はほかに、夜行列車愛好家など幅広いコミュニティから出資を受けており、1700人以上の中小個人投資家から過去2回にわたって250万ユーロ(約4億730万円)の出資を集めた。
同社によると、ドレスデンとプラハへの運行は以前から計画されていたが、ドレスデンからチェコ共和国との国境付近までの区間でインフラ工事が行われている関係で、片側交互通行となるなど線路容量が不足することから、運行開始は2023年以降に延期を余儀なくされた。
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