衰退から一転、復活した欧州「夜行列車」最新事情 車両は古くても安さと車内サービスで快進撃

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とはいえ、2024年3月からの運行開始時には、発着時刻のバランスが取れたダイヤが割り当てられているという。

ブリュッセル発の便は現在と同じく、引き続き月・水・金曜日出発で運行され、復路は日・火・木曜日出発となる。ベルギー始発の列車は、ブリュッセル19時22分発、アムステルダム23時12分、ベルリン6時18分、ドレスデン8時29分着で、終点プラハ中央駅には10時56分に到着する。復路は、プラハ18時04分発、ドレスデン20時30分、ベルリン22時56分、アムステルダム6時26分着、終点のブリュッセルには9時27分着という時刻が予定されている。

また同社の列車は、7月1日から欧州各国の列車が利用できる外国人旅行者向けのパス「ユーレイルパス」の利用が可能となった。パスの利用者は、駅窓口のほか同社ウェブサイトからユーレイルパス割引運賃でチケットを購入できる。日本では利用者数が減少傾向にあるが、他国ではいまだ根強い人気を誇るユーレイルパス利用の個人客を取り込むことに成功している。

同社は改装済みの中古客車を追加で取得し、当面はこの中古車で列車を運行することになるが、最終的には新車を購入する計画で、メーカーと交渉するなど準備を進めている。2025年には、アムステルダム―バルセロナ間の運行も開始する予定である。

夜行列車運行へ新規参入相次ぐ

ヨーロッパでは鉄道の上下分離化により、それまで列車を独占的に運行してきた旧国鉄などの企業以外にも運行事業への参入を自由化するオープンアクセス法が施行されて以来、民間企業の列車運行事業への参入が増えている。

当初は限られた地域のローカル線などが主流であったが、徐々に都市間を結ぶ長距離列車へ参入が広まっていった。とりわけ、環境問題に端を発した夜行列車ブームにより、これまで都市間列車などを運行してきた事業者による参入も増えている。

スネルタゲット 夜行列車
スウェーデンの都市、マルメに到着した「スネルタゲット」が運行する夜行列車(撮影:橋爪智之)
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