世界中で注目が集まる超薄型スマートフォン。アップルの次期「iPhone 17」シリーズにも極薄モデル「Air」が登場する可能性高まる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
三つ折りスマホ
ファーウェイの三つ折りスマホは開いた際、3.6mmの厚さしかない(筆者撮影)

小型モデルをやめたアップル、薄型iPhone投入は必須

アップルのスマートフォンラインナップはメインモデル4機種が毎年モデルチェンジされ、小型モデル「SE」が数年おきに登場するのがこれまでの製品展開だった。ところが2025年2月に発表された「iPhone 16e」は、画面サイズは「iPhone 16」「iPhone 16 Pro」などメインモデルと同じ6.1インチとなった。従来のSEモデルの4インチ大の製品は廃止となり、今後は全モデルが6インチ以上の製品となる。

SEモデルの廃止は今後iPhoneの主力機能となる「Apple intelligence」活用のためだろう。iPhoneに語りかけるだけでより深い情報検索が可能なだけではなく、お店の情報なら地図を同時に表示したり、旅行の計画なら交通機関の時刻一覧を出すなど、Apple intelligenceの活用にはある程度の画面サイズが必要となる。iPhone SEシリーズの画面サイズはそもそも旧モデルから引き継がれたものであり、AI時代にはそぐわない大きさだ。

iPhone 16e
iPhone 16eは小型サイズではなくなった(筆者撮影)

しかし、iPhone 16eの登場により、iPhoneは5モデル共にほぼ同じような製品ばかりとなってしまった。従来の小型軽量モデルがなくなったことは、一部のユーザーにとって不満が残るだろう。そう考えると、本体サイズを薄型化したスリムなモデルが次のiPhone 17シリーズに加わる可能性は十分ありうる。小型モデルはなくなったが、薄型でしかも軽量となれば価格が高くとも求める人は多いはず。また、アップルを追いかけるサムスン電子がGalaxy S25 Edgeを市場に出せば「薄型プレミアムモデル」という新たな市場が開拓される。アップルはその市場に後からゆっくり参入すればよい。

アップルは折りたたみスマートフォンは展開していないが、2024年に出した「iPad Pro 13インチ」は5.1mmの薄さで世間を驚かせた。薄型モデルの設計ノウハウはアップルもすでに持っている。仮に「iPhone 17 Air」という名前で同サイズ、あるいはさらに薄いiPhoneを出せば、薄型プレミアムモデル市場で覇権を握ることも容易だろう。低迷する中国市場での販売数アップのためにも、薄型iPhoneの登場は必要なのだ。

山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまね やすひろ / Yasuhiro Yamane

香港在住。石油化学企業の製造・研究・国際貿易業務を経てからフリーのジャーナリストに転身。中国および海外のスマートフォンや通信事情に精通。取材範囲は自動車、スマートシティー、インダストリー4.0、リテール、デザイン、材料まで幅広い。年の大半を海外市場の市場調査および海外展示会・発表会取材に当てており、脚で稼いだ情報を武器とする。大手IT系メディアに定期的に記事を執筆するほか、海外通信事情などの講演も積極的に行う。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事