世界中で注目が集まる超薄型スマートフォン。アップルの次期「iPhone 17」シリーズにも極薄モデル「Air」が登場する可能性高まる
SPARK Slimはコンセプトモデルであるため、市販される予定は現時点ではない。しかし、5000万画素カメラを2つ搭載しており、実際に写真や動画を撮影することもできた。バッテリーもシリコン炭素系素材を使った新タイプを採用しているため、本体がここまで薄いながらも5200mAhと一般的なスマートフォンよりも容量は大きい。スマートフォンの心臓ともいえるチップセットは非公開だが、本体を操作した限り動きは機敏であり、ストレスを感じることはなかった。
このようにSPARK Slimは本体を薄くした分、性能を落としているわけではなく、十分な性能を持つミドルハイレンジクラスの製品と感じられた。これは製品にプレミアム感を持たせるためにも重要なことであり、見た目だけではなく中身も相応の性能に仕上げている。TECNOの得意とする新興国市場で販売数を伸ばすためには価格勝負になってしまい、スマートフォン1台当たりの利益はわずかなものになってしまう。SPARK Slimのような誰もが憧れるような製品なら、たとえ高価格でも注目を集めるだろうし、それが企業としてのブランド力を高めることにもなる。
サムスンが仕掛けた薄型競争
スマートフォンの薄型化競争は今から10年以上前にも中国で行われていた。しかし、当時の技術では薄くするためには性能を落とす必要があった。毎年のようにカメラ、画面サイズ、チップセットなどの性能が上がっていく中で、薄型化競争は下火になっていった。
2025年1月、サムスン電子は新製品発表会で「Galaxy S25 Edge」と呼ぶ薄型モデルを発表した。右も左も同じようなデザインになってしまった昨今のスマートフォンに対し、デザイン面で革新を起こすことで新たなユーザー層開拓に結び付けたいのだろう。実際に新製品発表会の最後にサプライズでGalaxy S25 Edgeが発表されると、会場を埋め尽くした来場者からは大歓声が沸くほどであり、薄型モデルに対する反応は上々だった。
サムスン電子は2024年からスマートフォンのAI性能アップに注力しており、ハードウェアの進化は微々たるものだが、ソフトウェアの部分を大きく進化させている。グーグルと協業したAI機能もほかのメーカーに先駆けて搭載を進めた。新製品発表会では「Galaxy S25 Ultra」を筆頭にフラッグシップモデルの新機能としてAI性能を大きく説明。その一方でカメラ性能などハードウェアの進化は後回しとなり、「ソフトの進化したモデル」として新製品をアピールした。
とはいえ、AI機能はほかのメーカーも順次搭載を進めており、サムスン電子だけの特徴とは言えなくなりつつある。製品の差別化を図るためにはやはりハードウェアの進化が必要であり、その結果生まれたのが超薄型のGalaxy S25 Edgeというわけだ。
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