「六麓荘とタワマンは何が違う?」親から巨額資産を引き継いだ超富裕層が考える、タワマンを避ける理由と“住人の気質”の差
前川さんが住む六麓荘を簡単に紹介しましょう。六麓荘は六甲山のふもとにある、日本屈指の高級住宅地です。大手企業の創業家などが邸宅を構えています。
六麓荘で家を建てる場合、町内会に設置された「建築協定運営委員会」に建設計画の承認をもらう必要があります。承認を得るには、17項目の厳しい条件を満たす必要があります。代表的・特徴的なものを5つ抜粋すると、
①建築物は1区画につき400㎡以上、一戸建てとし個人専用の住宅とすること
②地階を除く階数は2以下とすること
⑫土地の形状はできる限り保全し、また、防災面にも配慮し、近隣に影響を及ぼすような著しい土地の形状の変更は行わないように努める
⑬建物の位置や形態等については、眺望など近隣への影響に配慮すること。
⑮緑化率の最低限度は40%または30%とする。(緑地面積10㎡につき、高木1本かつ、中木2本を植栽すること)
生活ルールは面倒くさいが…
この条件によって、六麓荘には荘厳な大豪邸が立ち並び、緑豊かで閑静な住宅地になっています。マンションや小規模な一戸建て住宅はありません。ただし、近年は相続の関係で豪邸を手放すケースも増えているようです。
六麓荘町には、住宅建築の他にも色々な生活ルールがあり、「いまだに面倒くさいと感じることが多々あります」と前川さん。しかし、こうしたルールがない他の住宅地やタワマンと比べると、「素晴らしい住環境になっていますし、住民の街を愛する気持ちや公共心が高いことも間違いありません」。

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