「六麓荘とタワマンは何が違う?」親から巨額資産を引き継いだ超富裕層が考える、タワマンを避ける理由と“住人の気質”の差

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国内の一戸建てからタワマンに移り住むという選択を検討しなかったのでしょうか。谷本さんは、家族が住む空間としてタワマンには大きな問題があると指摘します。

「私個人にとっては、都内での仕事や空港へのアクセスなどタワマンは便利です。住んでもいいかなぁと、今でも思います。しかし、家族からはタワマンに引っ越したいという要望はありません。とくに妻は『狭い』『怖い』ということで、タワマンはまったく眼中にないようです」

ここで言う「怖い」というのは、奥様が高所恐怖症であるとか、地震を恐れているということではなく、「まるで幽霊屋敷のようで不気味」ということでした。

「私のマンションでは、高層階の高額物件を買っているのは、転売目的の中国人投資家が中心で、私を含めてほとんどが住んでいません。ロビーや通路など普段は人の気配がほとんどなく、たしかに不気味。夜だと男性の私でも怖くて背筋が寒くなります。実際に住めば、慣れてくるんでしょうけどね」

タワマンと六麓荘ではどちらが住みやすい?

2人目の前川芳郎さん(仮名)は長く会社経営をし、現在は一線を退いています。保有資産額は数十億円です。前川家は伝統的な資産家で、前川さんは父親の代から六麓荘町(兵庫県芦屋市)の一戸建てに家族で住んできました。すでに子供が家を離れて、現在は夫婦二人暮らしです。

前川さんは、子供が家から離れた際、大阪市内のタワマンに転居することを真剣に検討しました。

「今の住居は2人で住むには広すぎるし、庭の手入れとか維持するのもたいへん。最寄り駅からも遠く、いずれ車に乗らなくなったら買い物や外出にも不便です」

しかし、検討の結果、現在の一戸建てに当面住み続けることに決めました。

「親から受け継いで長く住んできた家なので愛着があるというのが、最大の理由です。と同時に、今の家とタワマンの住環境の違いが気になりました」

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