住宅ローン"変動型"の金利が上がったらどうする? 変動型商品の実態とリスクを解説、「損得」よりも大事なポイントとは?
では、変動型の金利が何度も上がるようになったら、どうしたらよいのだろう?
ローン返済中の場合は、まず、実際にいつどの程度の増額になるのか確認しよう。5年ルールや125%ルールの適用があるなら、毎月返済額が急上昇することはないので、慌てる必要はない。
慌てて金利を固定するタイプに切り替えたいと思うかもしれないが、全期間固定型の【フラット35】の3月の最頻金利(融資率9割以下・借入期間21年以上)は、1.94%だ。変動型の金利が上がっても、ここまで上がるにはまだ時間がかかる。冷静に多くの選択肢を検討するのがよいだろう。
当面は、全期間固定型などの金利よりも変動型の金利のほうが低い状況が続くので、まずは「今後も変動型の金利が上昇したときに、返済に支障はないか? 家計に余裕はあるか?」を検討しよう。
毎月返済額を抑える方法としては、「繰り上げ返済」がある。期間短縮型ではなく、返済額軽減型(返済期間はそのまま)であれば、毎月返済額を抑えられるので、金利上昇分を吸収できる。ただし、まとまった額をローン返済に充てることになる。
金利の動向によって返済額が左右されることを嫌うなら、毎月返済額が増えることにはなるが、固定型のものに切り替える選択肢もある。固定型に切り替えるには、「同じ金融機関で金利タイプの変更をする」か「他の銀行に借り換える」かになる。
金利タイプの変更のほうが諸費用を抑えられるが、すべての金融機関で希望のタイプに変更できるとは限らない。他行に借り換える場合は、まとまった額の諸費用が必要になる。
どの選択肢が適しているかは、借りているローンの残高や返済期間、借りている人の考え方などによるので、金融機関などに具体的に試算をしてもらい、それぞれのメリット・デメリットを総括的に見たうえで判断するのがよいだろう。
これから新規に借りる場合は、適用される金利が、原則としてローン申込時ではなく、融資実行時(引き渡しを受ける時)であることを考慮したうえで、全期間金利が固定されるものを選ぶか、金利が上昇しても返済余力がある範囲で低金利なものを選ぶか、などを検討するとよい。判断に迷う場合は、長期間固定するものと変動型とをミックスする「ミックス返済」も選択肢になる。
無理のない資金計画を
返済期間が長い住宅ローンの金利は、上がったり下がったりするので、最終的な損得(利息が少ないか)は完済して初めて分かる。損得よりも、返済に支障がないか、返済中に教育費などの貯蓄ができるかなど、無理のない資金計画を立てることが重要だろう。
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