
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の社内で非正規社員の採用をめぐる不正行為が発覚し、大量の管理職が処分されたことが明らかになった。
同社の人事部門が3月10日、社内調査の結果および処分に関する文書を社員に通知した。それによれば、非正規社員の採用試験を実施する際、複数の事業部門の管理職が自ら身代わり受験したり、替え玉受験を手配したり、試験問題を受験者に漏洩するなどの不正を行っていた。
さらに、ファーウェイの内部情報を(外部に)売り渡して私腹を肥やしていたケースも露見した。人事部門は調査結果に基づき、不正行為に手を染めた管理職を解雇するとともに、懐に入れた利益の返還と会社に対する損害賠償を求めたとしている。
処分の規模は過去最大級
今回の処分は、ファーウェイにとって創業以来最大級の管理職の大量解雇とみられる。財新記者は同社に対して事実確認の取材を申し込んだが、本稿の締め切りまでに回答は得られなかった。
上述の社内文書は人事部門トップの鄭良材氏の名義で通知され、ファーウェイの全社員に対して、求職者の採用における人材の質の重視や社内規則順守の徹底を求めた。と同時に、私利私欲のための不正行為やその隠蔽に対して会社が厳罰で臨むことを強調した。
多数の不正採用が発覚した非正規社員とは、ファーウェイの社内ではどのような立場なのか。「さまざまな部門でプロジェクトに従事しているが、雇用契約はファーウェイ以外の(人材派遣会社などの)第三者と結んでいる社員のことだ」。同社をすでに退社した元ベテラン社員は、財新記者の取材に対してそう説明した。
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