「最もワーキングプアな国家資格」と自嘲する人も…在留外国人が急増で「日本語教師の需要増」なのに、“低賃金すぎて生活できない”根本的な理由
日本語教師は授業だけをやっていればいいわけではない。とりわけ常勤教師は、業務内容が多岐にわたる。このあたりの実状を、都内の日本語学校で常勤教師として働く、木村ひと美さん(40代)が話してくれた。
「担当の留学生に関することは何でもやらないといけません。学校を休んだり、失踪したりしないよう管理するのが最重要業務ですが、ほかにも生活相談や進路指導、身の回りのお世話まですべて1人で対応しています」
木村さんが過去に行ったイレギュラー業務には、たとえば次のようなことがあるという。
「日本人の学生であれば、『そんなの自分でやってよ!』と言えるのでしょうが。 留学生の場合は、母国とルールや慣習が違います。そして何より、日本語が十分じゃないので誰かが代わりにやってあげないといけないんです。本音を言えば、大きな学校のようにお世話だけを担当する職員を配置してほしいのですが……。ウチの学校にそんな余裕はなく、こうした対応はすべて常勤の日本語教師に任されています」
木村さんによると、現在の日本語学校は漢字の読み書きが不十分な非漢字圏の留学生が多数を占めるため、こうしたイレギュラー業務は昔と比べて格段に増えているそうだ。
日本語教師の給料が低く抑えられる根因
日本語教師は、なぜ激務のわりに給料が低く抑えられているのか? 関係者に聞くと、以下の2つを理由にあげる人が多い。
1:途上国の留学生の学費に頼った経営
日本語学校の収入は、留学生の学費がメインである。裏で別のビジネスをして儲けているケースもあるようだが、健全な学校は学費に頼った経営をしている。
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