近鉄特急ビスタカー、今も斬新「2階建て」の伝統 初代は"世界初"、2代目は名阪特急の先駆け

✎ 1〜 ✎ 54 ✎ 55 ✎ 56 ✎ 57
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そして1978年、戦後間もない時期に特急運転を開始してから30周年を迎えたのを機に登場したのが3代目ビスタカーの30000系だった。

連接構造ではない一般的なボギー車となり、4両編成のうち2階建て車両は中間の2両。近鉄が30000系登場時に作成した冊子では「我国は勿論、欧米にも類を見ない斬新で豪華な特急車両であります」と強調。先頭車については「両端2両の客車は2階席へのアプローチ車であると共に、従来の特急車両と併結する橋渡し役も兼ね備えています」と説明する。

スタイルとしては前年に登場した「サニーカー」と呼ばれる12400系とほぼ同じ。近鉄の特急車両は12400系と30000系の2年連続でブルーリボン賞を受賞している。1979年はブルーリボン賞が30000系、ローレル賞が京浜急行電鉄の800形と国鉄の50系客車だった。

近鉄ビスタカー 30000系 原型
リニューアル前の3代目ビスタカー30000系。2階建て車両は側面の窓の形が現在と異なる(写真:近畿日本鉄道)
【写真】どれだけ変わった?先頭車はクラシックな“顔つき”だが2階建ての中間車はいまも新鮮な印象。2度のリニューアルを経た3代目ビスタカー30000系の外観は?

階下席はヨットをイメージ

現在、4両固定編成が15本在籍する。2階建て車両は中央にホームと同じ高さの出入り口が1カ所。ドアを入ると吹き抜けになったデッキがあり、前後に分かれた2階席と1階席の客席への階段がある。トイレや洗面台は連結部分の階段を下りた先頭車の車端部にまとめた。先頭車の乗降ドアも運転席寄りの1カ所しかない。

1996年以降に1回目、2010年以降に2回目のリニューアルを実施した。1回目のリニューアルは2階建て車両の上部の鋼体を取り替え、窓に曲面ガラスを採用することで側面から天井にかけての展望を確保。愛称を「ビスタEX」とした。

2回目は伊勢志摩への観光需要を意識して、ヨットのキャビンや甲板をイメージしたデザインにリニューアル。1階席は3人以上で予約するグループ専用席に変更した。

ビスタカー3000系 出入口 デッキ 階段
30000系の2階建て車両は中央に出入り口と階段がある(記者撮影)
ビスタカー30000系 1階席
階段を下りると1階席。ヨットのキャビンをイメージしたという(記者撮影)
【写真】クラシックな顔立ちの先頭車は“平屋建て”。2階建ての中間車も階上席の側面の窓は天井近くまである曲面ガラスで圧迫感のない客室となっている。客室から見た車両基地の洗車機を通る様子も
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事