近鉄特急ビスタカー、今も斬新「2階建て」の伝統 初代は"世界初"、2代目は名阪特急の先駆け

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30000系は、汎用特急と呼ばれる車両の2両編成や4両編成と連結することが多い。機会は少ないがビスタカーの4両編成同士を連結した「重連」の8両編成になることもある。

30000系を連結している編成であれば、特急の時刻表やインターネットの予約の画面でビスタカーを表す頭文字の「V」のマークが表記され、存在感を放っている。

ビスタカー30000系 連結作業
車両基地での30000系の連結作業(記者撮影)
【写真をもっと見る】車両基地でしか見られない30000系の姿。営業運転を前に洗車機を通過。その様子を階上席の窓から見ると……?ほかの編成との連結作業も

2階建て車両の伝統

近鉄の技術管理部の奥山元紀さんは30000系がデビューした翌年、1979年の入社。「新入社員だったころは30000系が走り始めたばかり。車内も明るくて日本でいちばんええ電車やと思いました。当時は10100系の『新ビスタカー』に対して『ニュー・ビスタカー』と呼んでいました」と振り返る。

「いまはアーバンライナーやひのとりがあってメインの特急の位置づけでなくなりましたが、やはり『近鉄特急は2階建て電車』というイメージがあるため人気が根強いです」(奥山さん)

【写真】歴代ビスタカーは近鉄特急の歴史そのもの。世界初の2階建て高速電車だった初代の10000系、2代目の10100系が3重連で走る貴重なシーン。そして45年以上現役、3代目である30000系の昔と今の姿

現時点でもっとも豪華な近鉄特急といえば、しまかぜに用いる50000系。座席は3列配置のプレミアムシートで展望車両や、和風個室、洋風個室、サロン席などを揃えている。なかでもカフェ車両は「近鉄伝統の2階建て」とした。しまかぜは2013年の伊勢神宮の式年遷宮に合わせて登場した。

次の式年遷宮は2033年で伊勢神宮ではその準備が進められている。30000系は登場から45年以上が経過しており、近鉄が次の式年遷宮までに開発するとみられる新型特急にも、2階建ての伝統が引き継がれていくことを期待する声は多そうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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