「子どものやる気が出ない家」には共通する"ルール"があるーー実は、やる気を引き出そうとする必要はない
これがもし、テレビが裏返しの状態で置いてあり、観ようと思ったらわざわざひっくり返して見やすい位置にまで持ってきて、接続をし直さないと観れない、となったらどうでしょうか? そこまでして観ようという気はだいぶ薄れるのではないでしょうか。
同じように勉強も、前日のうちに翌日やるページを開いておいて、ペンや消しゴムなどの必要な文具も用意して、机に座りさえすれば勉強が始められる状態にしておけばよいのです。そうして、家に帰ってきて、机に座ったら、つい勉強をしてしまう環境を作ってしまえば、習慣化が容易になるわけです。
逆に、机に座ってテキストを取り出して、今日やるページを開いて、ペンはどこだ? 消しゴムがないぞ、とやっているうちに、勉強をする意欲よりも別の誘惑に負けてしまうことになります。
動機とは、行動のきっかけという意味がありますが、まさに勉強をするかどうかは、行動のきっかけを仕組みでアプローチすればいいのです。
これは、子どもだけでなく、私たち社会人にも重要なことです。部下に身に付けてほしい習慣は何でしょうか?
・毎朝ニュースを読む
・英語の勉強をする
・上司に前日の報告をする
・事務スタッフと情報を共有する
こういった、仕事の中で習慣化すべき行動はたくさんありますが、それは仕組みにしてしまったほうが良いわけです。

子どものやる気を「仕組み化」せよ
家に帰って、スマホが手に取りやすい場所にあり、うっかりスイッチを入れようものなら、もう逃げられません。
子どもが自分でやめることは難しいでしょう。だからこそ、子どもと話し合って、ルールを決めることが重要です。わが家では、上の写真のように、小学校1年生のときに「家に帰ったらやること」を決めました。
これを決めておくと、「④番できた」とか「⑦番は何時までにやるの?」といった会話が生まれ、やるべきことがわかっているので、「いつやるか」を自分で決められるようになります。
子どもには「ちゃんとしなさい」は通用しません。親から見て、テーブルの上に載っているノートや文房具を「ちゃんとしまいなさい」と言っても、子どもはテーブルの上のノートと文房具を床に置いて、「ちゃんとしまったよ」と言ったりします。