大苦戦の「おむすび」最終章に"劇薬"投入の危うさ どう描いても終わらせ方が難しすぎる現状
そもそも阪神・淡路大震災を扱ったのはたまたま30年の節目だったからなのか。「おむすび」はNHK大阪放送局の制作だから扱ったのか。その他でも福岡を含めさまざまな大地震があった中、なぜ東日本大震災だけを扱ったのか。
ネット上には「制作サイドの都合で震災を扱っているのではないか」という声がたびたびあがっていました。もちろん制作サイドは真摯に震災と向き合っていたでしょうし、準備を重ねた様子も伝わってきましたが、結の人生やギャルの描写となかなかリンクしていかないところにチグハグさを感じる人が多かったのでしょう。

主人公の成長を実感しづらい構成
そして最後にもう1つ、“#おむすび反省会”が活発化した背景としてあげておきたいのは、結の人生にかかわる年月のスキップが多く、視聴者の達成感が積み重なりづらい構成。
高校時代の書道部とハギャレン(博多ギャル連合)、栄養専門学校、社員食堂、妊娠・出産、管理栄養士取得までの過程、乳幼児の子育てなどがあっさり進み、「結が何かを学んだ」「苦労して何かを得た」という実感が薄いまま年月が流れていきました。
結の物語をどう終わらせるのか。クライマックスで結は何を学び、何を得たのかを視聴者に感じさせたいところでしょう。
逆に最近の朝ドラでよく見られる「この人物が再登場」「実はこのセリフにはこんな意味があった」などと、つじつま合わせするような伏線回収を押し出して締めくくる形で評判を上げることは難しいのではないでしょうか。
はたして残り1カ月でどんな物語を見せてくれるのか。ここまで期待しては肩すかしを食らうような印象が続いただけに、最後は痛快な展開が見られることを祈りたいところです。
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