中国「百度」の決算が映すネット検索とAIの明暗 オンライン広告は減収、AIサーバーはフル稼働

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そんな中、百度にとって貴重な成長分野と言えるのがクラウドサービスだ。10~12月期のクラウド事業の売上高は71億元(約1483億円)と、前年同期比26%増加した。

「事業の成長を牽引するのはAIだ。2024年のAI関連の売上高は前年の3倍になった」。クラウド事業の責任者を務める沈抖氏は、決算発表会でそう胸を張った。

百度の李彦宏CEOは、AIの基盤モデル「文心大模型」をあらゆる自社サービスに組み込んでいる。写真は開発者向けのイベントでスピーチする李氏(百度のウェブサイトより)

百度は総売上高に占めるAI関連サービスの比率を公表していないが、10~12月期の決算報告書によれば、同社が開発したAIの基盤モデル「文心大模型」は、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の1日当たり平均利用回数が16億5000万回に達した。

利用者の属性を業界別に見ると、教育、EC(電子商取引)、エンターテインメント、人材ビジネスなどの分野でAIの活用が増えているという。

AIモデルをオープンソース化

「DeepSeek(ディープシーク)の登場により、オープンソース型の事業モデルがAIアプリケーションの爆発的成長を促すことがわかった。われわれも数カ月以内に文心大模型のオープンソース版をリリースする」

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

百度の創業者でCEO(最高経営責任者)を務める李彦宏氏は、決算説明会でアナリストの質問に答えてそう述べた。

と同時に、李氏は10~12月期に百度がAI用GPUクラスターの規模を2倍に拡大したことや、増設完了後のGPU利用率が(フル稼働の)99%に達していることを明らかにし、AI事業の急成長ぶりを強調した。

(財新記者:劉培林)
※原文の配信は2月18日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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