中国、「経済崩壊にもっとも近い国」の行方 生産能力の過剰が経済を脅かす時限爆弾に

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しかし中国の経済がすぐに破綻しないにしても、中国が経済の崩壊を招く次の主要国である可能性が高いという事実に直面していることには変わりはない。

主な要因の一つには産業の生産能力過剰がある。生産能力の過剰は中国に始まったことではないが、鉄鋼、ガラス、セメント、アルミニウム、太陽光パネル、発電装置の部門に関しては過剰率が30%を上回っている。30%とは借金をして減益となった企業による債務不履行を招きかねない生産能力過剰の閾値だ。中国鉄鋼工業協会によると、供給過剰により鉄鋼価格があまりにも下落したので、鉄鋼を1トン生産したとしてもその利益ではアイスクリーム・コーン1つさえ買うことができないという。

地方政府同士の卑劣な争いのために過剰な生産が行われてきた。高いGDP目標を達成するため、地方政府はタックスホリデーや国有地の賃料免除などありとあらゆる助成金を提供することで新しい製造工場を誘致している。さらに地方政府は企業が国有銀行からローンを安く組めるように取り計らいもする。このようなお節介が生産コストを不自然に減少させている。

中国の経済を脅かす時限爆弾

ホワイトハウスでの共同記者会見の様子(写真:ロイター/ケヴィン・ラマルク)

企業が負債を抱えながらそれを返済しなければいけなくなってしまったことが原因で、生産能力の過剰は中国の経済を脅かす時限爆弾となり果ててしまった。2014年の時点で鉄鋼関連企業は合計で4890億ドルもの借金を抱えている。経済の減速、生産過剰、マクロ経済レベルでの負債の増加、これら3つが組み合わさることで企業閉鎖と不良債権の巨大な波が生まれる可能性がある。

万が一この爆弾が爆発してしまった場合、その影響は計り知れないだろう。中国には日本のような成熟した社会的セーフティー・ネットがないし、アメリカのような政治的安定にも欠けているため、経済の崩壊だけでなく深刻な社会的・政治的大混乱に直面することになるだろう。

危機を回避するためには習国家主席と政策立案者たちが中国の生産能力過剰問題の抑制に注力しなれければならない。やらなければいけないポイントは4つある。

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