中国、「経済崩壊にもっとも近い国」の行方 生産能力の過剰が経済を脅かす時限爆弾に
過去20年の間、中国はかろうじて深刻な財政危機は免れてきた。だがその良き時代も終わりを迎える日は近いのかもしれない。
しかも、それは最近起きた株式市場の暴落が原因ではない。
今年の夏、中国の株価が暴落したことにより中国が深刻な経済危機に瀕しているのではないかとあちこちで物議を醸している。ザ・テレグラフ紙は中国のバブル崩壊を1929年に世界大恐慌が引き起こされた時の状況と比較している。一方でニューヨーク・タイムズとフォーチュンはバブル崩壊はただの誤認警報だったとし、中国に対する懸念は払しょくされたと主張している。
直近の株価下落は、儲かったカネを失っただけ
短期間で見れば後者の意見のほうが確かに説得力がある。中国の金融危機は国内世帯数の15%以下にしか影響を与えていないのだから。しかも、これら中流階級の投資家の大多数は数カ月前株価が急上昇したときに儲けたお金を失っただけなのである。この前のあの暴落の後でさえも、上海総合指数は2014年7月と比較しても1000ポイントも高い数値を示している。
いずれにせよ、中国の株式価値は国内の金融組織が保有する総資産のうちの1.5%でしかなく、中国企業のほとんどは株式を財源としていない。消費者信頼感指数は中国の都市部や農村部での消費の成長トレンドは安定的であると示している。そして、中国当局はいまだに経済成長を動かす権限と柔軟性を保持している。例えば金融緩和をすることで貸付限度額の流動性を高めたり、財政措置を広げることにより家計消費を刺激したり、だ。