中国、「経済崩壊にもっとも近い国」の行方

生産能力の過剰が経済を脅かす時限爆弾に

9月25日、大統領主催の晩さん会における習近平夫妻。中国は中期的に厳しい経済崩壊に直面する可能性がある(写真:ロイター/マイク・シーラー)

過去20年の間、中国はかろうじて深刻な財政危機は免れてきた。だがその良き時代も終わりを迎える日は近いのかもしれない。

しかも、それは最近起きた株式市場の暴落が原因ではない。

今年の夏、中国の株価が暴落したことにより中国が深刻な経済危機に瀕しているのではないかとあちこちで物議を醸している。ザ・テレグラフ紙は中国のバブル崩壊を1929年に世界大恐慌が引き起こされた時の状況と比較している。一方でニューヨーク・タイムズとフォーチュンはバブル崩壊はただの誤認警報だったとし、中国に対する懸念は払しょくされたと主張している。

直近の株価下落は、儲かったカネを失っただけ

短期間で見れば後者の意見のほうが確かに説得力がある。中国の金融危機は国内世帯数の15%以下にしか影響を与えていないのだから。しかも、これら中流階級の投資家の大多数は数カ月前株価が急上昇したときに儲けたお金を失っただけなのである。この前のあの暴落の後でさえも、上海総合指数は2014年7月と比較しても1000ポイントも高い数値を示している。

いずれにせよ、中国の株式価値は国内の金融組織が保有する総資産のうちの1.5%でしかなく、中国企業のほとんどは株式を財源としていない。消費者信頼感指数は中国の都市部や農村部での消費の成長トレンドは安定的であると示している。そして、中国当局はいまだに経済成長を動かす権限と柔軟性を保持している。例えば金融緩和をすることで貸付限度額の流動性を高めたり、財政措置を広げることにより家計消費を刺激したり、だ。

次ページ生産過剰が大きな重石に
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 貧困に喘ぐ女性の現実
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • コロナ後を生き抜く
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT