自家製麺は一番をとるためだったが
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冨田さんも麺のことを聞かれると「先代の頃からお願いしている麺を使っています」と答えていた。ここで一番をとるためには自家製麺にするしかないと冨田さんは考えた。
「これを言いたいためだけに自家製麺にチャレンジしました。麺が決定的な違いだと思ったんです。マスコミが来た時に『麺も俺が作っている』と言いたかった。
当時、製麺機と撹拌機を買うのに250万円かかりました。親にはありえないと大反対されました。自分には師匠がいないので、製麺機の業者や製粉会社から基本的な作り方を教わって少しずつ麺作りを覚えていきました。
麺を作るたびに、製麺所に注文したらかかるだろう金額のお金を箱に入れておき、1カ月経ったらそこから製麺機の支払いをしました。小麦粉やかんすいの代金もここから払いました。これで2年ですべて返しましたね」(冨田さん)
250万円かけただけに失敗するわけにはいかなかった。しかし、自家製麺に変えてからしばらくは客数が減ってしまった。「こんな麺は高山ラーメンの麺ではない」と常連さんに言われた。
しかし、冨田さんはそれでもめげなかった……。
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