「引退→64歳で新店」ラーメン店主が再出発した訳 40年働いた店を継承も5年後に新店、一体なぜ

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自家製麺は一番をとるためだったが

ナカヤマ荘
今も自家製麺を貫いている(筆者撮影)

冨田さんも麺のことを聞かれると「先代の頃からお願いしている麺を使っています」と答えていた。ここで一番をとるためには自家製麺にするしかないと冨田さんは考えた。

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「これを言いたいためだけに自家製麺にチャレンジしました。麺が決定的な違いだと思ったんです。マスコミが来た時に『麺も俺が作っている』と言いたかった。

当時、製麺機と撹拌機を買うのに250万円かかりました。親にはありえないと大反対されました。自分には師匠がいないので、製麺機の業者や製粉会社から基本的な作り方を教わって少しずつ麺作りを覚えていきました。

麺を作るたびに、製麺所に注文したらかかるだろう金額のお金を箱に入れておき、1カ月経ったらそこから製麺機の支払いをしました。小麦粉やかんすいの代金もここから払いました。これで2年ですべて返しましたね」(冨田さん)

250万円かけただけに失敗するわけにはいかなかった。しかし、自家製麺に変えてからしばらくは客数が減ってしまった。「こんな麺は高山ラーメンの麺ではない」と常連さんに言われた。

しかし、冨田さんはそれでもめげなかった……。

【もっと読む】伝説の店主が「子どもに無料でラーメン」出す理由 高山ラーメンの老舗「豆天狗」2代目が抱く大志 では、自家製麺に懸けた顛末から、店が大繁盛店に成長するなかでの家族の状況、64歳での再スタートの顛末についてお届けする。
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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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