開業1年半で閑散「渋谷・道玄坂通」大苦戦の"真因" 建物の造りや動線から大きな問題がある…?

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実際、現在同施設内には「ジハン・キホーテSHIBUYA」という自販機だけが置かれたエリアが誕生している。

ジハンキホーテ
こちらが「ジハン・キホーテ」の様子。だが、訪れた日も人はほとんどいなかった(筆者撮影)

筆者はさまざまな商業施設を見ているが、空きテナントが増え、そこに無造作にゲーム機やカプセルトイマシーン、マッサージチェアなど無人運営が可能なものが置かれはじめたら危険信号だと思っている。すでにその兆候があるのは、危険だと言わざるを得ない。

大量のガチャガチャが置かれている空間
とあるショッピングモール。こうなると、けっこう厳しい。人が来ず、テナントも入ってくれない、魅力のない空間だと自らアピールしているようなものだ(筆者撮影)
マッサージチェアが置かれた休憩スペース
あるいはこういう空間。これも厳しい(筆者撮影)

ただし、これまでさまざまな局面を乗り切ってきたPPIHである。中に入るテナントの工夫などを含め、今回もなんらかの方法でこの苦境を乗り切る方法を見せてくれるかもしれない。

変な意識の高さがあると、メディアも取材しにくい

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これは個人的な見解なのだが「道玄坂通」という名前を「ド・ウゲンザカ通」と変えてみるなど、どうだろうか。

ドンキを強くイメージさせる「ド」を強調するのだ。というのも、多くの人に聞いてみても「道玄坂通をドンキの会社がやってるなんて知らなかった」という声が多いからだ。

せっかく一般に浸透しているドンキとイメージが結びついていないのはもったいない。こうして名前を変えるだけでも、施設をアピールすることにつながるのではないか。

今はなんだか妙に意識が高い感じがして、扱いに困ってしまっている同業も多い気がするが、「ド・ウゲンザカ通」になれば、メディアも取材に訪れやすくなる気がする。

まあ、こんな提案は私の妄想にしても、いずれにせよ、PPIHの道玄坂通における次の一手を待ちたい。

【もっと読む】閑散の「渋谷サクラステージ」スタバが穴場化な訳 東急をもってしても桜丘は難易度が高かった…? では、ネット上で「ガラガラ」との声が噴出している渋谷の商業施設「サクラステージ」について、都市ジャーナリストの谷頭和希氏が詳細に解説している。
谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

X:@impro_gashira

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