開業1年半で閑散「渋谷・道玄坂通」大苦戦の"真因" 建物の造りや動線から大きな問題がある…?

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具体的には、施設が面している道玄坂小路と文化村通りの間に、24時間通行可能な通路が作られている。商業施設の内部でありながら、まるで公共の道路のように使うことができる、というわけだ。

ここからは、渋谷の街に一体化しようという道玄坂通の強い意思がうかがえる。

プレスリリース
PPIHが発表した道玄坂通についてのプレスリリース。「まだ知らない渋谷に出会える」と街歩きの「偶然性」を押し出し、渋谷の街になじもうとする意図が見える(筆者撮影)

しかし、現実にはこの通りはガラガラ。正直、当初目指されていたような「通り」としては機能していないな……というのが正直なところだ。

どうしてこうなってしまったのか。

もちろん、ここは従来のドンキだけの店舗ではないから仕方のない部分はあるのだが、どうも全ての入り口がどこか奥まっていて、少し入りにくい感じを受けてしまう。

道玄坂小路に面しているところはかなり奥まったところに入り口があり、しかもそこに入る通りにはタピオカを飲んでいる人々の目の前を通過しなければならず、気軽に入る……という感じにはならない。

文化村通り側からは確かに開かれているような印象は受けるのだが、それでも実際に建物の入り口までが少し奥まっていて、どこか街から遠い存在のように見える。

せめて何かの店舗が道路に面して開かれていれば誘引力にもなるのだろうが、テナントも内を向いているような感じがして、街の中で浮いてしまっているように見えるのだ。

つまり、これまでのドンキが得意としてきたような「街と一体化する」側面が(理念的には達成されていても)、現実には薄いのではないか。

ハロウィンのときの道玄坂通
ハロウィンのときの道玄坂通。入り口で仮装をしている人がいて、それに人が集まっていたが、このときも中まで入っている人は少なかった。それほど入りづらい、というか入る場所として認識されていないのだろうか(筆者撮影)

渋谷のイメージとどうしても似合わない道玄坂通の小綺麗さ

そもそも道玄坂通が面している道玄坂小路や文化村通りの周りは、居酒屋や風俗店なども含めた猥雑な環境になっている。

道玄坂小路から見る風景
道玄坂小路から見る風景。こうした風景の中にいきなりでかい建物が現れても……という印象を受けてしまうのは筆者だけか(筆者撮影)
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