開業1年半で閑散「渋谷・道玄坂通」大苦戦の"真因" 建物の造りや動線から大きな問題がある…?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

特に都心部のドンキに多いのだが、その入り口は面する道に沿って大胆に開かれており、街路からその店の様子がよく見える。

ドン・キホーテ新宿店
新宿と新大久保のちょうど中間にあるドン・キホーテ新宿店。道に面して市場のように商品が並べられ、歩道と一体化しているような印象を受ける(筆者撮影)
ドンキ新宿店 別の入り口
こちらはドンキ新宿店の別の入り口。まるで夜市のような空間が広がっており、新大久保の裏手の個人店が並ぶ猥雑な雰囲気とマッチする(筆者撮影)

視覚的にもそうだが、例えば店内で流れるさまざまな音(聴覚)が聞こえたり、店によっては焼き芋のにおい(嗅覚)までが漂ったりして、通りすがっただけなのについつい店に入ってしまいたくなる。

ドン・キホーテ横浜西口店
こちらはドン・キホーテ横浜西口店だが、やはり店舗外観は道路に面して大きく開かれている(筆者撮影)

ドンキが店内の構造をあえて複雑にして「衝動買い」を誘発していることは有名な話だ。それと同じように、店舗デザインでもこうした「衝動入店」を誘発しやすいのがドンキの特徴であり、強みである。

これは何を表しているか。それは、ドンキとそれが立地する街が「一体化」しているということだ。街の中で異質すぎる存在にはならず、その街にまるで昔からあったかのようにじんわりと浸透する。それがドンキの業績の好調につながっている(この辺りについては拙著『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』で書いた)。

道玄坂通は渋谷に馴染んでいる…?

さて、こうした店舗の特徴を見て、改めて道玄坂通を見るとどうだろうか。

この施設の特徴の1つは、その名前に「通」と付いていることからもわかるとおり、街のパーツの1つとして使える施設が目指されていることだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事