知らないとヤバい「オンラインカジノ」真の問題点 精神科医が警鐘する「早い、多い、ヤバい」の危険

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オンラインカジノはこれらの点をクリアしており、従来の公営オンラインギャンブルよりも早く依存状態になってしまう人が多いのも当然だと思われる。

最後の問題点は、オンラインカジノが犯罪行為を誘発するリスクが高いということ。

昨今のニュース報道によると、若者が特殊詐欺グループの手下となり、さまざまな犯罪に手を染めて検挙されるケースが相次いでいるが、その理由には闇金融に借金返済を迫られてというものが少なくない。

検挙された者の約21%が、借金返済を主な理由に特殊詐欺に加担している。

図
(筆者作成)

当院の外来受診患者の調査においても、オンラインカジノを行っていた者の闇金融利用率は他のギャンブルを行っていた者のそれよりも明らかに高く、約3人に1人が闇金融を利用している。

図
(筆者作成)

大学生が“たった半年”で数百万の借金

ここで、筆者が実際に診た患者の例を挙げる(プライバシー保護のため内容を一部改変)。

22歳の男子大学生の話だ。彼は高校時代からオンラインゲームが好きで、たびたび課金行為をくり返していた。しかし、それはあくまでも自身の小遣いの範囲であり、家庭で決めていたルールを逸脱することはなかった。

その他は特に変わりなく、普通に大学に進学した。問題行動が表面化したのは、20歳を超えてからである。彼はそれまでのオンラインゲームの延長の感覚で、オンラインカジノを開始したのだ。

オンラインカジノは日本では違法ギャンブルであるが、誰でもすぐに登録可能であり、クレジットカードがあれば、ものの10分で始められてしまう。

当院を受診する患者の多くがそうであるように、彼も当初はオンラインカジノが違法であることを知らず、軽い気持ちで始めてしまった。

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