韓国女優コ・アソン演じる「若者の葛藤と幸せの形」 「ケナは韓国が嫌いで」出演への想いを聞いた

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――ケナは「寒いソウルが嫌い。韓国は生きにくくて、夢が持てない」と話しています。これは韓国の20代のなかで特別な意見ですか? 彼らの政治や社会への意識や距離感をどう感じますか?

原作小説が発売されたのが2015年で、映画の脚本執筆が2019年。撮影は2022年に始まりました。なので、原作が生まれてから、10年余りの時間が経っているんです。

そのなかで、継続している社会へのメッセージもあれば、時代を経て変わった部分もあります。そのすりあわせを監督とよく話し合って、現代社会の若者たちの姿を映しています。

私は俳優なので、社会に対して個人的な意見やメッセージを伝える立場にはありません。作品を通して監督が発信するメッセージの媒介者だと考えています。

作品を通じて世の中の移り変わりを学んだ

――子役から芸能界で活躍されているコ・アソンさんは、自身の夢をかなえて生きているかもしれませんが、韓国社会は夢を持てない、生きにくいと感じたことはありますか?

俳優という職業には就いていますが、個人的には私自身も決して夢をかなえた人生とは言い切れないと思います。その判断は簡単ではありません。

子役として俳優の仕事をスタートし、その職業がいまもずっと続いていて、ひとつのことを30年やってきました。

そのなかで伝えてきたメッセージはつねに時代を反映しています。世の中の移り変わりを、私は作品を通して学んできました。そういった長い期間のなかで、時代ごとに感じることも、考えることも違いますので、一概には言えません。

ケナは韓国が嫌いで コ・アソン
コ・アソンさん

――前作の『サムジンカンパニー1995』(2020年※日本公開は2021年)も本作も、その時代や社会とのリンクがある社会性の高い作品です。そういう作品を意識的に選んでいるのでしょうか。

それは意識していません。その作品のキャラクターに魅力を感じるかです。前作は90年代の会社組織に革新を起こすキャラクターであり、本作は現代社会で生きるキャラクター。特徴的な何かを持った役柄を演じたい気持ちがあります。

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