要注意「年金の確定申告をする人」に教えたい盲点 2024年分の「定額減税」はどう処理すべきなのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ただし、すべての年金受給者が確定申告の対象になるわけではありません。「確定申告不要制度」により、以下の2つの条件に該当する人は申告が不要です。

【確定申告不要制度に該当する人】
① 公的年金等の受取額が年間400万円以下
② 公的年金等以外の所得が年間20万円以下

公的年金の受取額は「公的年金等の源泉徴収票」で確認できるので、問題はないでしょう。注意したいのは公的年金等以外の「所得」です。今は心身の健康維持、やりがいといった理由から、定年後も働き続ける人がたくさんいます。年金以外の収入を得ている場合、公的年金が400万円以下だからといって、確定申告の必要はないと早合点してはいけません。

例えば、年金をもらいながら会社で働いたりパート勤務をしたりしている、副業で収入がある、株式の配当金を受け取っているなど、これらによる所得が20万円を超える場合は確定申告を行います。

【確定申告が必要な所得の種類】

確定申告が必要な所得の種類
出所:国税庁

対象となるのはあくまでも「所得」です。所得とは収入から経費を差し引いた金額のことですから、「収入が25万円あるので申告が必要」と判断するのは間違いです。例えば、給与所得控除は最低でも55万円あるので、給与収入が75万円であれば確定申告不要制度の対象になります。

還付金を受け取れることもある

確定申告不要制度の対象者であっても、所得控除に該当する支出があった場合は、申告することで課税所得が下がり、還付金を受け取ることができます。主な控除は以下のとおりです。

・医療費控除
・セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
・社会保険料控除
・小規模企業共済掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険控除
・寄付金控除
・ふるさと納税
・雑損控除
・住宅ローン控除
・政党等寄附基金特別控除

例えば、1年間に自己負担した医療費が一定額を超えると医療費控除の対象となり、確定申告をすると上限200万円までが課税所得から控除されます。医療保険者から送られてきた「医療費のお知らせ(医療費通知)」の金額を利用しますが、医療費通知に記載のない医療費や医療費通知を紛失した場合は、領収書などをもとに入力を行います。

マイナポータル連携を利用すると、医療費控除に使用できる医療費通知情報を取得することが可能です。e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使い、所得税の確定申告書を作成する際は、該当項目の金額を自動で取得することもできます。インターネットに不慣れな人もいるでしょうが非常に便利なので、これを機に使い方を学んでもよいでしょう。

次ページ申告が労力に見合うかを判断しよう
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事