「自分のやり方に固執する人」をどう説得するか? 変化が苦手な人には「3つのバイアス」がある

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変化が苦手な人に特有のバイアスがあります。そのバイアスがあることを理解しておくと、他人のことでも、そしてそれが自分のことでも、変化への対策を練ることができます。

変化が苦手な人が持っているバイアスは主にこの3つです。

1 現状維持バイアスが強い

2 サンクコスト効果が強い

3 確実性効果が強い

もし会社で自分の部下や上司がこの3つのバイアスを持っているようであれば、あなたがいくら「新しいことに挑戦しよう!」「変化していくことが大切です!」と伝えたとしても、たぶん伝わっていません。

まずは、この3つのバイアス所持者かどうかを知るところからスタートです。そのうえで、どう伝えていくかを考えていく必要があります。

長いスパンで見れば「やって後悔したほうがいい」

現状維持バイアスとは慣れ親しんだ状態を変えることを嫌う心の傾向のことをいいます。

「やらずに後悔するくらいなら、やって後悔したほうがいい」という言葉がありますが、現状維持バイアスが強い人にはこの言葉は当てはまりません。理由は、やって後悔のほうが、やらずに後悔より痛みが大きいからです。

現状維持バイアスが生まれるのは、行動することでの後悔(痛み)を避けたいからです。ただし、この後悔は時間軸で変わります。

人は、最近あったことを振り返るなど、短期的な視点では「やった後悔(行為後悔)」を思い出しやすいのですが、人生を振り返るといった長期的な視点では「やらなかった後悔(不行為後悔)」を思い出しやすいことがわかっています。

これは現状維持バイアスが強い人でも、その傾向があるのです。なので、長いスパンで見ると、「やらずに後悔するくらいなら、やって後悔したほうがいい」という言葉は、正しいということになります。

後悔しないように現状維持したのに、長期的には現状維持したほうが後悔につながってしまうのです。なので、現状維持バイアスが強い人に挑戦や変化を促すときは、時間軸を変えて、長いスパンで話をしていくことが効果的です。

(出所:『結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

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西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者

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にし たけゆき / Takeyuki Nishi

脳科学者(工学博士)、分子生物学者

1975年生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまで3万人以上に講演会を提供。著作は20万部のベストセラー『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめ、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方』(PHP研究所)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)など、海外を含めて累計発行部数 40万部を突破。

【脳科学者 西剛志公式サイト】
https://nishi-takeyuki.com

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