中国で「廃墟ビルばかり」新興企業はなぜ消えた? 中国のスタートアップ投資は「もう終わった」のか

上海市の七浦路服飾商業街にあるビルの中。1階部分はまだ開いている店舗もあるが、2階、3階は空きテナントが目立つ(筆者撮影)
今、中国で何が起こっているのか。
過去20年にわたって、世界経済を牽引する存在だった中国経済。特に日本経済にとって、中国は製造拠点としても市場としてもきわめて重要な存在でした。しかし、不動産価格の低迷によって顕在化されてきた、中国経済の悪化。市民の中で不満や閉塞感が広がってきています。
本記事は、同書より一部を抜粋、加筆・編集してお届けします。
真っ暗なビルの中はほぼ空っぽ
ポストコロナの中国を訪問した際、ダメージがわかりやすい形で可視化されていたのが卸売市場だった。
上海市の七浦路服飾商業街。華東地方最大の衣料品卸売市場で、この場所から中国全土の個人店舗やネットショップに出荷される。
従業員らの仕事は来店した客との商談よりも、宣伝用の写真撮影や梱包発送といったネット販売業務が中心だ。市場を歩くと、女性店員が下着姿をあらわにしつつ、服をとっかえひっかえ着替えながらモデルとして写真を撮っている姿も目にする。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事