中国で「廃墟ビルばかり」新興企業はなぜ消えた? 中国のスタートアップ投資は「もう終わった」のか
これまでならば、テナントに空きがでればすぐに代わりの店が入っていた。商売が上手くいかずに諦めた人も、前払いで借りているテナントを又貸しすれば少しは金になる。なにより、商売をやりたい起業家スピリッツにあふれた人は“無限”にいるため、潰れても潰れてもすぐ次の借り手が出てくる。
海の波のごとく次から次に現れる新規参入者の群れが中国経済のダイナミズムを生み出していたのだが、なぜ今回は市場の空きテナントが埋まらないのか。
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ショップ経営者の一人は、零細起業家たちの元手がないからではないかと話していた。コロナ禍における中国の企業支援策は、社会保険料の納付減免や延期、金融緩和と銀行融資の奨励、政府や国有企業の物件に入居していた場合のテナント料減免などだが、零細事業者や個人事業主はほとんど恩恵にあずかれなかった。
この卸売市場では借り手も貸し手も個人で、政府の救済スキームの外側にいるケースが多い。救済を受けられずに資金を使い果たしてしまったため、再起の野心は残っていても今すぐにはどうにもできないのではないか、と。
日本ではお店など中小事業者の起業を促すための政府系融資機関などの制度が整っているが、中国では自己資金でやるか、それとも親戚や友人知人から金を借りるかしかない。
かくして無限に現れるかのように思われてきた、新規参入者がついに枯渇したのである。2024年の民間固定資産投資は前年比0.1%減とマイナスに落ち込んだ。
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ユニコーンはどこへ消えた?
大企業も先行きが見えず、投資を躊躇せざるを得ない状況が続いている。2024年1~10月の民間固定資産投資は前年比0.3%減とマイナスに落ち込んだ。今はアクセルを踏めないとの判断が広がっているわけだ。
中国経済のダイナミズムを代表していたスタートアップ投資にも変調が見られる。