テレ東「男友達と自炊飯」ドラマが心に沁みるワケ サードプレイスの重要性を教えてくれる一作だ
傍から見ると順調に見える優太だが、その日々はとにかく多忙。
映像の編集や各セクションとの打ち合わせ、撮影カット割りの準備にキャスティング……次から次へとやってくるタスクをさばきながら、新ドラマの企画を求められる。
監督でありながらまだ若いため、ベテランスタッフから口出しされることも多い。
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上司はあまり遅くまで残るなと言うものの、仕事が減るわけではない。だから結局、深夜残業が避けられない。24時台になってようやく家に帰ると、ゴミが散乱した部屋は足の踏み場もない状態だ。
会社では同僚たちがドラマの話で盛り上がり、仕事への希望や野心を口にするが、優太は対照的に企画書の手が進まない。熱の入ったアイデアが浮かんでこないのだ。
夢だったはずの仕事。目標だったはずのポジション。気づけばどちらも手にした先で、充実しているはずがストレスばかりが蓄積されていく毎日。
周囲の要求に応える日々を重ねた結果、自分の中に湧き出る感情や欲望がどこにあったのか見失ってしまう。そんな優太の姿はどこか空虚で切なく、なんだか他人事とも思えない。
競争から離れた、サードプレイスがもたらす幸福
転機はちゃんと訪れる。高校時代の友人・蒔田葵(草川拓弥)の誘いで、同じく同級生の佐藤耕助(金子大地)と3人で再会することになったのだ。
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