資産3.8億超の凄腕投資家が「増配」に注目するワケ 増配は株価上昇のシグナルでもある!

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⑦ 成長期待があること

増配のためには利益の成長が欠かせません。競争優位性や市場の成長余地を備えた企業を選ぶ必要があります。

いま、日本企業全体を見渡しても、東証の改革の後押しなどによって配当総額は増加傾向にあります。企業の内部留保は依然として潤沢で、全体の配当性向は約35%にとどまる一方、アメリカや欧州では総還元性向(配当+自社株買い)が日本より遥かに高いです。東証が株主還元やROE向上を強く促していることを踏まえると、まだまだ増配余地は残されていると言えるでしょう。

長期投資のエンジン

また長期投資では、増配以外にも「追加資金の投入」や「配当再投資」というエンジンを組み合わせることで、複利のパワーをさらに強めることができます。たとえば最初に350万円の株を持ち、毎年60万円を追加投資し、受け取った配当も再投資する――これに加えて、平均10%の増配率を保てる銘柄を組み入れれば、数十年後には配当金だけで十分生活できるレベルに達する可能性もあります。

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もちろん、企業がずっと10%増配を続けるのはそう簡単ではありませんし、銘柄を入れ替える際の税金や手数料などもかかるため、机上の数字がそのまま再現されるわけではありません。しかし、増配投資を軸に据えたポートフォリオは、長期的に見ても再現性と安全性の高い戦略と言えるのです。

株式投資の本質は「企業の本質的価値以下で購入し、価値の回帰を待つ」ことにあります。その過程で、増配は株価上昇と複利効果を促進する重要な要素となります。日本全体でも企業の内部留保が積み上がり、配当拡大への機運が高まっている今、増配株を中心としたポートフォリオは、長期的な資産形成において有力な選択肢となるでしょう。

複利の恩恵と企業価値の割安さを組み合わせることで、時間を味方につけた資産の成長が期待できます。未来に向けた資産形成の道筋として、増配投資の力を活用する戦略は、今後も有効であり続けるでしょう。

 

【もっと読む】新米投資家ほど盲信「S&P500」の不穏な落とし穴 では、近年注目が高まるS&P500信仰には、見過ごせないリスクが潜んでいることを解説。
ヘム 投資家

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へむ / hemu

京都大学卒業後、総合商社に入社。社会人1年目より投資を始め投資歴は27年になる。30歳で脱サラをし起業。現在も2社を経営する投資家兼会社経営者。363銘柄保有中、投資時価3.7億。個別銘柄分析&ポートフォリオ構成銘柄&成績をXで公開したところ、アカウント開設後、1年半でフォロワーが3万人突破。投資手法の軸は「小型割安株」と「増配期待株」と「暴落時の買い向かい」の3つのアノマリー。データを重視した投資手法で、その再現性の高さから、株クラから投資初心者まで幅広い支持を得ている。

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