資産3.8億超の凄腕投資家が「増配」に注目するワケ 増配は株価上昇のシグナルでもある!
このように、割安度だけでなく期間も重要になるため、株価を動かす「カタリスト」を見つける必要があります。カタリストにはさまざまな種類があります。
・新製品の開発
・マーケット拡大
・増配
・自社株買い
・アクティビストの登場 …等
企業価値を認識させる具体的な材料が市場に提示されることで、初めて株価が上に動きやすくなります。カタリスト探しには経験と分析力が必要ですが、なかでも「増配」は、企業の姿勢や財務状況を基に比較的予測がしやすく、かつ直接的に株価を押し上げる効果が期待できるため、非常に有力なカタリストです。
増配が株価を押し上げるメカニズム
増配とは文字通り企業が毎年支払う配当金を増やすことで、投資家は増加分のインカムを享受できます。しかも、その銘柄が本当に増配を続ければ、通常は放っておいても株価が上昇しやすくなります。増配が続く会社を市場が無視することはほとんどないからです。
たとえば、株価1000円・配当金35円(配当利回り3.5%)の銘柄が、年9%ずつ増配し続ければ8年後には配当金が70円となり、買い値ベースでの配当利回りは7%になります。市場がこれを割安と見て株価が倍の2000円に上昇すれば、結果として配当利回りは表面上3.5%のままでも、投資家の買値からすれば配当利回り7%を享受できる計算です。
しかも、配当を受け取るたびにそれを再投資すれば、複利の効果が働き、資産はさらに加速度的に増えていきます。シミュレーションによれば、年9%の増配率が維持される銘柄を長期で保有し、配当金も再投資に回すと、スタートから数十年後には資産や年間受取配当金が数十倍になる可能性が出てきます。もちろん理想的な数字ではありますが、実際に筆者の分散された複数のポートフォリオでは高い増配率を実現しており、現実離れした話ではありません。
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