そして、ヤンキーを主役に元ヤンのMEGUMI氏がプロデュースする恋愛リアリティショーが「ラヴ上等」です。表に立つ芸能人が裏方仕事をすることは今や珍しくないですが、話題先行じゃないかとつい疑ってしまいがち。MEGUMI氏から直接話を聞くまでは正直そう思っていましたが、ガチでした。映像集団「BABEL LABEL」にプロデューサーとして所属するなかで、自身のアイデンティティーを生かした番組づくりを手探りで始めています。
制作チームとヤンキーの定義を突き詰め、番組のコンセプトをまとめていくため自らコラージュデザインを作り、選曲ひとつひとつの意味にこだわってアイデアを出すなど会議を重ねているそうです。オーディションにも立ち合います。リアリティショーの面白さのカギとなる参加者の出順シミュレーションを熱っぽく語ってもいました。
アートワークも重要視し、これまた熱く語るMEGUMI氏。「恋愛リアリティショーを絶対に手掛けそうもない方をキャスティングできました。ヤンキーのイメージからは想像できないような、まさかの世界観の掛け合わせやロゴデザインを準備しています。コンセプトカラーもあえて一色に絞らず、いろいろな色を使うポップさが合うんじゃないかと。きっとワクワクしていただけると思っています」。
これはヤンキーにピンと来ない視聴者も巻き込もうとする狙いがあってのこと。「カッコ良すぎない抜けたカッコ良さというか、ダサカッコ良さを目指してます。10代から50代、60代の方まで幅広い層に観ていただきたいという思いがあります」。
もちろんビジュアルだけでは番組は成立しません。骨太のリアリティショーを見据えています。「こんな時代だからこそ、ヤンキーを主役にしたい」と思ったそう。
「発言しづらく、行動しにくい時代の中でもヤンキーは好きとか嫌いとか、憎いとか嬉しいとか喜怒哀楽を最大限に表現するんです。そんな彼ら彼女らを映し出して、こういう生き方もありますよって伝えたい。リアリティショーの中で自由に、いい意味で暴れてもらうことにすごく意味があると思ったのが企画したそもそものきっかけです」
超ドメスティックなカルチャー
リアリティショー好きは新機軸のものが続々と仕掛けていることを好意的に受け止めることができるものの、「あいの里」や「ボーイフレンド」のように映画ドラマ好きにもアプローチできるかは、どの作品も未知数です。アンスクリプテッド作品の制作を統括するNetflixの太田氏もこの状況を冷静に受け止め「今はいろいろな作品があることに気づいてもらい、珍しがってもらって、広げていくフェーズだと思っています」と語っています。
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