鈴木:今回の話をまとめると、大切なのは「誰が地方の担い手になるのか」ということですよね。それが1次産業者であったり、企業の跡継ぎであったり。そのために、「地域の適切なブランディング」が必要不可欠であると。
永谷:人がいないことには、どうしようもないですからね。
「実は俺、地元も手伝ってるんだよね」
鈴木:実は、2021年度の東京都への年間転入出者数のデータによると、依然「転入超過」ではありますが、転出者が増えてきていることがわかる。さらに東京23区で見ると、むしろ「転出超過」になりました。
もちろんコロナという外圧の影響が多分にありましたが、日本は一度、「地方分散型社会」に傾いた。いまこそ日本の転換期だと思います。

永谷:その機運は私も肌で感じています。
東京でバリバリ働いているエースたちがこぞって「実は俺、地元も手伝ってるんだよね」という「ある種の新たなマウントカテゴリー」が現れはじめました(笑)。
東京でクライアントだけを回しているのはダサい、西麻布のラウンジより地元で家族とキャンプのほうがかっこいいみたいなトレンドが少しずつ芽生えてきているみたいなんです。
鈴木:建築ツーリズムにも通じる話で、若い建築家たちが東京で活躍修業の場がどんどんなくなってきていて、地方に勝負の場を求めるという流れも出てきています。
永谷:一極集中の揺り戻しというか、東京が飽和しすぎてきたのかもしれませんね。
若者が活躍の場を求めて、むしろ東京を離れる。優秀な人材を獲得する千載一遇のチャンスを、地方はきっちりとつかみ取ってもらいたいですね。
→皮肉にも「学力が全国1位」だったから…「若者がどんどん地方から出ていく」本当の"原因"は何か
【この対談の2回目】
→「漁師と一緒に魚を獲って"漁師メシ"も食べられる?」地域でできる「ホンモノ体験」こそ"地方大復活"のカギだ
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