永谷:地方を活気づける原動力って、結局は「地元愛」なんです。
親から受け継いだ土地や事業を継続するしかない状況にある跡継ぎには、いや応なしに「地元を愛するしかない」という必然性がある。彼ら彼女らにはもともと地域に根ざしたマーケティングのノウハウもありますから。
「2代目は会社を潰す」は間違い

鈴木:私もまったく同感です。よく「2代目は会社を潰す」などと言われますが、そんなことはない。
昔から見知った年上従業員ばかりの中で「先代の跡を継ぎ、結果を出していかなければならない」というのは相当な胆力が必要です。
いまでは2代目や跡継ぎこそ新しいことに挑戦する意欲が強く、地域企業のDX支援を行った際も、応募してきたのはそうした跡継ぎの方々でした。
永谷:たんなる経営だけでなく、地盤となる地域全体への視点を持たざるをえないですからね。
鈴木:産業的な目線と観光的な目線って、実は根は一緒。
たとえば、企業がイベント的な事業を打つとして、どうやって協賛企業を連れてくるのか、どうやって観光客を誘致するのか、はたまたどうやって地元住民を巻き込めるのか。
企業の活動は、それらを複合的にできるし、むしろこれからどんどんしていかないといけない。