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日本の安全保障の要「核の傘」はもはや「破れ傘」 核兵器禁止条約会議にオブザーバー参加の決断を

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  • 小原 泰 シン・ニホン パブリックアフェアーズ 代表
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アメリカとオーストラリア、ニュージーランド3カ国による軍事同盟「ANZUS条約」を締結するオーストラリアは、2022年の核兵器禁止条約第1回締約国会議でオブザーバー参加を実現している。

ニュージーランドに至っては半世紀近く非核政策を訴えてきた。同国は、1960年代半ばからフランスが南太平洋地域で核実験を実施していることから反核の気運が高まり、1985年、旧南太平洋フォーラム(SPF)加盟国8カ国によって調印された南太平洋非核地帯条約に繋がった。1987年にはロンギ政権が非核地域、軍縮、軍備管理法(反核法)を制定した。

当時のロンギ首相は、核実験抗議船が核保有国の諜報機関によって爆破・撃沈された事件を受け、「核兵器によって攻撃されるよりも危険なことが一つだけある。それは核兵器によって守られていることだ」と、核保有国に批判的な言葉を口にしている。

アメリカと日米同盟を結ぶ日本にも、核兵器禁止条約会議にオブザーバー参加することは可能なはずだ。

「核兵器のない世界」の先鞭をつけよ

日本が「核兵器のない世界」を唱えつつ、アメリカの核の傘を理由にオブザーバー参加すらしないのは薄志弱行とのそしりを免れないし、世界からの共感を得ることはできないだろう。

核大国のエゴによって、その道筋を議論することすら容易ではなかったが、トランプ氏やプーチン氏らの決断によっては核を巡る世界秩序が大きく変わる可能性がある。

日本は、世界秩序が変わるのをただ待つのではなく、みずから一歩踏み出さなければならない。戦争被爆国として、多くの実験被爆国と連帯し、核兵器のない世界に向けた議論の先鞭をつけるときだ。

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