トランプ氏「ウクライナを見放すのか支援継続か」 次期政権で対立する2グループが浮上

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再びホワイトハウスに入ることになったトランプ前大統領。2025年1月の就任直後から、ウクライナ戦争への対応で選択を迫られることになる(写真・2024 Bloomberg Finance LP)

強引な国益第一外交で世界を揺さぶったアメリカのトランプ前大統領が2025年1月、よりパワフルな指導者としてホワイトハウスに戻ってくる。

アメリカにとって当面最大の外交課題の1つであるウクライナ紛争をめぐり、トランプ氏がどのような政策を打ち出してくるのか。これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領やロシアのプーチン大統領はどのように対応していくのか。3者の思惑を探ってみた。

ウクライナ侵攻はバイデン政権下の2022年2月に始まった。これまでトランプ氏は侵攻についてさまざまな発言をしている。とくに有名なのは、「大統領に選ばれれば、1日で戦争を終わらせる」(2023年5月)という発言だ。

トランプのウクライナへの姿勢

さらにプーチン、ゼレンスキー両指導者に対し、和平に向けた「取引」を実現しろと呼び掛けた。ロシアが取引を拒めば、ウクライナに従来以上の軍事支援をすると圧力を掛けた。一方でトランプ氏は、ウクライナへの軍事援助に反対する趣旨の発言もしている。

トランプ氏は今回の再選を受け、具体的にどのような「取引」で戦争を終わらせるつもりなのか。本稿執筆時点で、詳細な具体策を示していない。

しかし、西側ではトランプ氏がゼレンスキー政権に対し、現在戦闘が続いているドンバス地方などの東部やクリミア半島などウクライナ領について、戦争終結のため、ロシアの領有を認める譲歩をゼレンスキー政権に迫るのではないかとの見方が浮上している。西欧各国メディアでは、トランプ氏の再登板でウクライナによる軍事的抗戦継続に悲観的ムードが漂い始めている。

ところが、ここへきて興味深い情報がワシントンから筆者に伝わってきた。それによると、ウクライナ侵攻をめぐり、トランプ次期政権がとるべき今後の政策について、トランプ氏周辺で対立する2つのグループができているというものだ。

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