ウーバー「遅延急増」配達員も困る店側の"事情" 配達員不足で「わざと作るのを遅らせる」店も?

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私自身、2025年1月に「配達予想時間20分・距離2キロ・2件配送・報酬432円」といった仕事を受けたが、配送先顧客の不在で約10分ほど、予想時間よりも配達に時間を要した。配達調整金額は1円もつかず……最低賃金を下回る「待ち損」の結果となった。

報酬
28分の労働で報酬は432円。時給換算すると約925円。なお兵庫県の最低賃金は1052円(著者撮影)

そもそもデリバリーには向かない商品がある

以上、ご覧の通り、ウーバーが来るのが遅くなっている原因は、複合的であるというのが私の考えだ。現在各メディアでは「配達員不足のせいでウーバーが来るのが遅くなった」といった論調が目立つが、やや事象を単純化しすぎているのではないか。

また、これは「そもそも」の話になるのだが……。フードデリバリーと相性の悪いメニューは確実に存在しており、これを取り扱うのはいかがなものか、というのが私の素直な感想だったりする。

ラーメンなどが典型だが、配達員の到着が遅れれば「作り直し」が避けられないメニューを扱うのは、そもそも無理があるのではないか(ウーバー側は大々的に「ラーメン」を配達するCMを流しているので何とも言えないが……)。

「そもそも無理がある」という点では、ユーザー側にも同じことが言える。例えばデリバリーのお弁当に「温かさ」を期待する方は少なくない。けれどお弁当を作ったことのある方なら誰しも知っている通り、ホカホカの白米を容器に入れて蓋をすると、蒸気で白米がビチョビチョになる。こういったリスクを飲食店側は熟知しているわけで……。

 

Uberのリュック
(著者撮影)

私が何を言いたいかと言うと、ウーバーで注文した食事は「自宅のレンジでチン」することを織り込んでくれたら嬉しい。ウーバー、配達員、消費者、それぞれに事情や希望があるのは百も承知だが、より良い方向性に改善されていくのを願うばかりだ。

【もっと読む】「ウーバー配達員になれて良かった」と僕が思う訳 「負け組ランドセル」と嘲笑う人に伝えたい"本音" では、"社会不適合"ゆえに社会からこぼれ落ちた現役ウーバー配達員ライターの佐藤大輝氏が、ウーバーイーツに救われた過去を赤裸々に語っている。
佐藤 大輝 ライター・ウーバー配達員

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さとう・だいき / Daiki Sato

23歳と29歳の時、所属していた企業(美容業・物流業)から解雇を通達され、訴訟を提起。それぞれの会社と約2年間裁判で争った経験を持つライター。ブラック企業問題を解決したいという願いから、裁判後はライターに転身。労働問題のほか、「再雇用戦士」「子供部屋おじさん」「インド駐在員」など、働き方や生き方に関する取材記事を執筆。趣味は海外旅行で、37カ国へ渡航。

X:@do69951367

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