ウーバー「遅延急増」配達員も困る店側の"事情" 配達員不足で「わざと作るのを遅らせる」店も?

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改悪が噂されるフードロスの補償

今ネットには、ウーバー加盟店(飲食店)が書き込んだであろう「規定時間を過ぎた場合、ウーバー側が廃棄分を補償。新しい食事を作り直すルールだったが、この補償が廃止された」といった投稿が散見される。

私は事実関係を把握するため、顔馴染みの飲食店スタッフ数名にこの話題について直接聞いてみた。しかし残念ながら「知らない」「わからない」といった回答しか得られなかった(実際そうだったとしても、「うん、補償じゃなくなったよ。だから、わざと作るのを遅らせているよ」と言う店の人はあまりいないと思うが……)。

ウーバーにも問い合わせてみたが、回答は「再調理に関する保証については、開示はしておりません」というものだった。報酬の計算しかり、何かとブラックボックスな会社である……。

よって真相は不明だが、もし一部の飲食店に限定して「補償のルール変更」が行われたのだとすれば、調理開始時間を遅らせる飲食店が現れても何ら不思議ではないだろう。

いったいウーバー側は何をしているんだ。早急に配達員不足の問題を解決しろ……といった批判の声を上げるのは、少し待ってほしい。一見すると「改悪」に見える今回のルール変更(疑惑)は、ウーバー側の「不正対策」といった意味合いが含まれているかもしれないからだ。

とある配達員が架空の注文と配達を繰り返し、ウーバー運営会社側から約2年間で、約3000万円を振り込ませた事件をご存じだろうか(2024年10月22日付 読売新聞オンライン)。

マナーの悪い配達員がいることは周知の事実だが、マナーの悪い飲食店も存在するのだとしたら、補償のルール変更にも納得がいく(Xの投稿には、飲食店側が「作り直した」という虚偽の報告を行い、補償金を不正に獲得していることを示唆する投稿があった)。

以上は筆者による推測を含むものだが、とは言え、誰もが便利に、かつ安心に、利用できるための補償のルールが悪用される状況が続けば、ウーバー運営側が怒るのは当たり前だ。また不正報告があった際に組織として何も対応しないことは、組織あるいは担当者のメンツにも関わる。

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