入院通算65日の医療費と実際の支払いに驚きの差 現役時は多額の保険料を負担したが今回はお世話に

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現在、高度療養費制度の上限額の見直し議論が国会で行われているが、年齢や収入による一律の上限額引き上げは現実的ではない。非課税世帯でありながら億単位の金融資産を持つ高齢者もいれば、年収1000万円以上のサラリーマン世帯でも、3人の子どもが高校や大学に通っているようなケースもある。患者サイドに立ったきめの細かな制度設計が望まれるが、なかなか難しいところである。

これまで11カ月の闘病生活の中で、医療費問題や医師や看護師など医療スタッフの働き方の現実、そして高齢化が進み”介護施設化”している高齢入院患者のケアの問題など、健康な時には見えてこなかった医療現場の現実に直面した。同時にがん患者としての日常や家族の負担、仲間からの励ましなど、自身にかかわる問題にも日々向き合ってきた。

今のところ、余命が少しは延びそうな気配である。自分自身の優先課題、家族と共有する時間、仲間とのふれあいなど、できることを着実にこなしながら、1日1日を大切に生きていきたい。がんがきれいに消滅するとは思っていない。がん細胞も自分自身の分身である。おとなしくするように言い聞かせて、うまく共存していきたいものである。

がん発覚直後、花が癒やしてくれた(筆者撮影)

入院中の1日の過ごし方

朝6時起床タイム。夏場は空が明るくなるので5時過ぎには起きているケースもあり。看護師さんがやってきて検温と血圧測定。採血をするときもある。朝食まで結構時間があるので、夏から秋にかけては病院の敷地内を散歩したりしていた。

8時に朝食を摂り、その後に薬を服用。共用室からお湯を持ってきてコーヒーを淹れてくつろぐ。午前中は点滴や抗がん剤治療を行うこともあるが、何もない日もある。コンビニに買い物に行くことも。

12時に昼食。朝食から4時間しか経っていないが、朝食とはメニューがガラッと変わっているので、結構食べられるものである。食後に薬を服用。午後、検温と血圧測定。体がだるいときは昼寝に限る。

15時過ぎ、シャワータイム。30分から1時間かけてのんびりと。その後、腎瘻のカテーテルを挿入している部分のテープの張り替え。家族や仲間の面会は14時から18時まで。

18時、夕食。あらかじめメニューをチェックしておいて、サラダやスープ、デザートなどを用意しておくこともある。特に食事制限はなかったので、好きなものを食べた。食後に薬を服用。その後、夜の検温と血圧測定。21時、消灯。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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