もちろんここでいう「変わり続ける」は変化などに応じて後追いで否応なしに、というようなネガティブな変化ではなく、「自分が自分らしくあり続ける為の前向きな変化」、である。
さて、先ほど、「キャリアを主体的に開拓していきたい」という前向きなモチベーションと「将来的なキャリア上の選択肢をより幅広く持ちたい」というマインド、という2点について触れた。
キャリアだけではなく人生も主体的に生きることが大切なのは言うまでもないが、後者の将来的な選択肢、それも自分にとって現実的な選択肢をより多く持てるような状態に自分を持っていくことは、人生そしてキャリアの双方において非常に重要である。
この選択肢の多様化や複数化については、私自身ももう10年以上前ではあるが、拙著『非学歴エリート』や『下剋上転職』(ともに飛鳥新社)においても触れている。
「キャリアとは労働市場におけるユニークネスの構築である」という考え方や、「自分にとって現実的な選択肢を複数持てるキャリア展開」についてその具体的な思考や行動をそういった拙著や本連載において何度も紹介してきている。
現実的な選択肢を複数持っている状態というのは、当然その時の自分の状況などに応じてベストな選択肢を選べる権利を持っている、ということであり、前述の「変わり続ける」を可能とするような状態だ。
今の会社に残ることも出来て、昇進も見込めるし、希望によっては部署移動も出来る。そして複数の転職候補先からのオファーも十分に得られる。そんな状態のことだ。
それを意識しているか否かは別として、労働市場なりにおいてそういった理想的なポジションに自らを置くことを念頭に、冒頭の新卒やMBA卒業生はそういった行動をしているのだと思う。
もちろん私自身もそういったことを念頭に、常に自分事としてキャリア展開を図ってきたつもりだ(私自身のキャリアの歩みの詳細については前述他の拙著に譲る)。
「避けるべきキャリア」とは?
反対に避けるべきキャリアとは「その先の選択肢がどんどん減っていってしまうような」キャリアであり、キャリア上のアクションだ。
「もうこの状態から抜け出せない」というやつだ。
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