前者の新卒の学生と後者のMBA卒業生の違いは、当然後者においてはすでに専門的な経験やスキルを有しているという前提があるか否かである。
なお、当然のことであるがここでいう「専門性」とは、ある特定の企業や業界でしか通用しないようないわゆる専門性(というよりも特殊性)ではなく、個人に紐づき、横展開が可能(つまり転職先や異業種でも通用するような)で、なおかつ拡張性の高い経験やスキル、という意味である。
したがって前者の新卒が、「短期間」で「専門的な経験やスキル」を「獲得」することを目的とするのに対して、後者は同じ「専門性」であっても、すでに有している「専門性」を「駆使して」、さらにその経験やスキルを高めることを目的としている、という違いはある。
コンサル志望学生とMBA取得者の共通点
違いはあれども、両者には共通点がある。
それは、「キャリアを主体的に開拓していきたい」という前向きなモチベーションであり、「将来的なキャリア上の選択肢をより幅広く持ちたい」というマインドであろう。
失われたウン十年の「ウン」の部分が次々と更新されていく現在の日本において、もはや一時期の前提や常識が未来永劫と続く、という前提に立つことは非常に難しい。
自分が新卒だったころの大手企業や有名企業、人気業界がその後も大手や有名、人気であり続ける保証は当然ないし、そこで働くことにより得られるリターンに関してももちろん保証はないということだ。
そのような前提を理解している一部の学生やビジネスパーソンが冒頭の例のように、主体的なキャリアや個人に紐づく経験やスキルを如何に早く獲得し、それをテコにさらにステップアップするかを考え始めている、ということであろう。
世の中の変化が速い時代だからこそ、自分自身も変わり続ける必要がある、ということだ。
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