コロナ禍で激増「足をめぐる」深刻症状の後始末 気づかぬうちに「テレワーク足」になっている

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診察していた側の私も、自分自身、「自粛」の足への影響が大きいことを痛感しました。

「運動不足だ! これはまずい!」と気づいて運動不足を解消しようという意気込みはいいのですが、一度下がったボーダーラインはすぐには上がりません。少しずつ上げていかないと、足への負荷が大きくなってしまいます。

活動のボーダーラインが下がった状態で、いきなり運動を始めるのは危険です。運動不足を補うつもりが、足に限界以上の負担をかけることになり、痛みが生じることになります。

このボーダーラインは、下がるのは早いのですが、上げていくには時間がかかるのです。

ランニングは気軽に始めがちですが、けっこう危険です。運動不足の方は、まずは散歩から始め、慣れたら少し早足で走って……、などと少しずつ運動量を上げていってください。そうでないと、膝なども痛めてしまいます。

大きなメリットがある「宅トレ」の注意点

「宅トレ」という言葉をご存じでしょうか。家の中での体操・運動を指す略語ですが、コロナ禍の2020年頃から使われ出しました。室内で運動する様子を映した動画は、インターネットにあふれています。

宅トレには大きなメリットがあります。有酸素運動でも、筋トレでも、ストレッチでも、自宅にいながらできるのですから、雨の日でも、猛暑・極寒の季節でも関係ありません。好きな時間にできて、たいてい費用もかかりません。

ところが、室内でマットなどを敷かずに裸足で運動すると、衝撃が足を直撃します。裸足での運動は足に大きな負荷を与え、それだけでボーダーラインを超えやすくなります。裸足で縄跳びなどをすれば、疲労骨折のおそれもあります。

骨は硬くて安定しているように思えますが、骨の中には骨を作る骨芽細胞と、骨を壊す破骨細胞があって、骨を作り出すことと壊すことが同時におこなわれています。

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