コロナ禍で激増「足をめぐる」深刻症状の後始末 気づかぬうちに「テレワーク足」になっている
自宅に引きこもっていたことで、足の筋肉や関節を動かさなくなり、ボーダーラインが下がってしまったのです。
たとえば、かつては1日に1万歩も歩いていた人が2000歩くらいしか歩かない生活になれば、知らず知らずのうちにボーダーラインは下がっています。
これは足のトラブルを引き起こす危ない状況です。私はこれを「テレワーク足」と呼ぶことにしました。
自分のボーダーラインが知らず知らずのうちに下がっていたことに気づくのは、ステイホームが少し緩くなり、みなさんが週に1回ぐらい出社するようになったときでした。
前と同じように通勤しただけなのに、帰宅すると足が痛くなっていて、異変に気づく。それで私のクリニックに駆け込んでこられたのです。
コロナ禍によるテレワークだけではありません。歳をとって筋力量が少しずつ落ちていっても、同じことになります。また、寝たきりの入院生活が長いなど、狭い空間に長く閉じこもっていれば同じことが起こります。
テレワークなどの弊害は、足に限りません。体全体に影響が及びます。そして足の土台がもともと弱い人は、そのマイナスがより顕著に出やすいのです。

「いきなりランニング」は百害あって一利なし
コロナ禍のせいで自分が「テレワーク足」になっていることに気づき、焦って「毎日1時間散歩しよう」「走ろう」などと急にやり始める人は少なくありませんでした。
その結果、前述の通り、私のクリニックに「足が痛くなった」と訴えて来るようになった方が増えました。その数は、なんと毎月50人。
自分のボーダーラインが下がっていることに気づかずに、以前と同じつもりで運動を始めたところ、ボーダーラインを超えてしまい、足を痛めてしまったのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら