経済戦争渦中の「石破首相訪米」は危険な賭けに 安倍元首相がトランプ氏と築いた関係は再現できない

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日本企業だけでなく、アメリカ企業や韓国企業もこの関税の影響を真っ先に受けるだろう。これらの企業はすべて、カナダとメキシコの両方で工場を運営しており、アメリカ市場に輸出する自動車を組み立てるだけでなく、アメリカ国内の工場に供給する重要な自動車部品も生産している。

すでに課せられている関税に加え、対中関税は中国を輸出製造拠点としている日本企業にも影響を与えるだろう。中国との貿易戦争が激化すれば、もちろん中国の成長により大きな影響を及ぼし、中国市場向けに生産する日本企業にも打撃を与えるだろう。

中国との対立は激化するのか?

東京の一部では、アメリカの政策立案者たちと同様に、日本が反中対決のアンカーとしての役割を果たすことで、日本がトランプ大統領の悪者リストから外れることを期待している。

トランプ政権では、マルコ・ルビオ国務長官やマイケル・ウォルツ国家安全保障顧問など、中国にタカ派的な見方をする伝統的な保守派が要職に就いている。そのような対立の枠組みの中で、「アメリカは日本や他の地域のパートナーとの安全保障上の結びつきを強化することに目を向けるかもしれない」と第1次トランプ政権の元国防当局者ランダル・シュライバー氏は予測する。

また、トランプ大統領が中国の習近平国家主席との「グランド・バーゲン」、つまり日本を事実上排除した中国との「G2」の新バージョンを選ぶのではないかと懸念する向きもある。しかし、ほとんどの専門家はその心配を否定している。

「その危険性はかなり低い」と、スタンフォード大学の中国研究者で元情報当局高官のトーマス・フィンガー氏は言う。もしトランプが習近平に会うために中国に行きたいのであれば、「習近平は大喜びするだろう」。

しかし、テーブルの上の重要な問題は、技術競争と市場アクセスという難しい経済問題である。

「トランプと習近平が会ったとしても、それはG2の始まりではありません。軍事戦略上の競争は続くでしょう」

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