有料会員限定

できないのか?それともしたくないのか? アメリカと中国が率直に話し合いを行わない事情

✎ 1〜 ✎ 785 ✎ 786 ✎ 787 ✎ 788
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
トランプ大統領は中国の習近平国家主席と関税について話したいと示唆しているのだが(写真:ブルームバーグ)

アメリカと中国は、深刻化する貿易戦争に巻き込まれ、両国の経済に深刻なダメージを与え、世界の安定さえ脅かす可能性がある。

アメリカのドナルド・トランプ大統領が4月2日、アメリカのほぼすべての貿易相手国に「相互」関税を課すと宣言して以来、両国は互いに3桁の関税を課している。

有識者による政治・経済コラムを翻訳掲載。週刊東洋経済掲載分だけでなく、多くの選りすぐりのコラムもタイムリーにお届けする。バックナンバーはこちら

中国からアメリカへのコンテナ予約はすでに60%減少し、あらゆる種類の中国製品の注文がキャンセルされている。この景気減速が数週間後にアメリカを襲うときに受ける影響は、消費者が中国製品の購入が困難になるだけでない。これらの輸入品を販売したり、輸入品として使用したりしている多くのアメリカ企業も大きな影響を受けるだろう(編集部注:本コラムの公開は5月5日)。

多くの中国製品はアメリカで生産されることも、他の国から調達することもない。多くの企業は対応に苦慮するだろう。

話し合いができない?したくない?

トランプ政権は、差し迫った危機の深刻さに気づいているようだ。

4月22日、スコット・ベッセント財務長官は米中貿易戦争を「持続不可能」とし、無名の情報筋はホワイトハウスが中国への関税引き下げを検討すると述べた。他の政府関係者はすぐにこれらのコメントを撤回し、アメリカは "一方的"には行動しないと述べた。

通常なら、このような状況は交渉の機が熟しているタイミングだろう。ところが、両者は話し合いができないか、したくないようだ。

次ページ習主席から電話があった?
関連記事
トピックボードAD