"都内第2の選挙区"を要求した「公明党」の腹の内 委員会決議からも退場、背後に秘めた思惑は?

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公明党は昨年の衆院選で、政治資金収支報告書に不実記載があったとして比例区との重複立候補が認められなかった自民党の“裏金候補”のうち、33人を推薦した。また、自民党から公認を得られなかった三ッ林裕巳氏と西村康稔氏についても、推薦を出した。

推薦に際しては「謝罪や説明」「公明党への貢献度」「地元の納得感」という3要件で判断され、とくに三ッ林氏については「選挙区のうちの票田を石井氏に譲った」といった事情が考慮された。にもかかわらず、支持者からは「裏金議員を許すのか」などの批判が相次ぎ、それが選挙結果に表れた格好だ。

昨年の衆院選では、自民党も67議席減と大きく議席を失った。選挙後に三反園訓氏らを入党させて議席数を増やしたものの、自公両党で過半数を制するに至っていない。

こうした自民党にしがみついて、はたして党の将来は開けるのか――。自らの衰退と自民党からの「もらい事故」という二重の危機にある公明党は現在、生き残りを懸けた状況にある。

「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」

これを象徴する事例が、東京での「2つ目の小選挙区」問題だ。

2022年に施行された公職選挙法改正による「10増10減」により、公明党は愛知16区と埼玉14区を獲得。小選挙区が25から30に増えた東京都内では、現職の岡本三成氏を旧12区から移動させた29区以外に、28区を自民党に要求した。

だが自民党は、東京都連会長(当時)の萩生田光一氏に近い安藤高夫氏を同選挙区で擁立するつもりだったため、双方の話し合いは決裂。2023年5月25日の自公の幹事長・選挙対策委員長会談の後、公明党の石井幹事長(当時)は「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」と言い捨てた。

しかし自公は同年9月4日、「次回の総選挙の結果も踏まえつつ、両党の選挙協力を更に進めるべく、次々回の衆議院選挙での東京小選挙区における公明党の2議席目の確保を両党の共通目標として、両党は誠実かつ真摯に取り組む」とする文書を交わし、公明党が「都内で2つ目の小選挙区」を得ることを約束した。

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