フジテレビ問題の解決は完全な世代交代しかない 「10年間の業績不振」に責任を取ってこなかった

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言っておくと港氏には大きな功績がある。「オールナイトフジ」で深夜を開拓し、とんねるずを起用。「夕やけニャンニャン」は等身大のアイドルを生み出し、「とんねるずのみなさんのおかげです」は番組から数々のヒット企画を生み出した。

港氏だけではない。現経営陣はフジテレビ黄金時代を支えた世代だ。創業一族の鹿内春雄氏のリーダーシップで大改革が行われ、地味な存在だったフジテレビを時代の寵児に押し上げた。当時20代の若者だった私には、「自由な解放区」に思えた。特に80年代後半から90年代前半の深夜枠"JOCX-TV2"で放送された番組は、テレビの最高傑作と言える番組群だった。

「やっぱり猫が好き」「マーケティング天国」「IQエンジン」「カノッサの屈辱」「TVブックメーカー」などなど、テレビにはこんなこともできるのかと驚いた。「奇妙な出来事」はのちに「世にも奇妙な物語」の名でヒットシリーズになった。「夢で逢えたら」はウッチャンナンチャンとダウンタウンが大人気になるきっかけとなった。”JOCX-TV2”での実験が、90年代以降のヒット番組の種子になったのだ。

どっしり構えて支えたのが日枝氏だった

鹿内春雄氏に関連会社から呼び戻された若い制作者たちが「笑っていいとも!」「オレたちひょうきん族」などで作った土台に、もう一回り若い世代が深夜にのびのび自由に番組を作ったのだ。それをどっしり構えて支えたのが日枝氏だった。

だからいまの経営陣と日枝氏には素晴らしい功績がある。その後のテレビ全体の方向を創造したことは、業界全体が讃えていいと思う。

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