フジテレビ問題の解決は完全な世代交代しかない 「10年間の業績不振」に責任を取ってこなかった

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だからこそ、その栄光の上に居座り続けたのだろう。いまのテレビを作ったのは自分たちだと驕りたかぶり、その場を次世代に譲らないからこうなったのではないか。日本の企業の歴史の中で、もっともわかりやすい大成功と大失敗の例となってしまった。いまのフジテレビ経営陣は、平家やローマ帝国の末期とまったく同じ状態だ。

中でも日枝氏は1983年にフジテレビの取締役に就任し、以来41年以上取締役のままだ。1983年に民放に入社した人はすでに60歳を過ぎ再雇用期間も終わるころだ。1人の社員が入社して定年退社するまで取締役を続けているのは、いくらなんでも長すぎだろう。

思い切った世代交代を

もし経営陣が総退任したら、思い切った世代交代を図るべきだろう。この状況を一新させ広告主に鮮烈な印象をもたらすには、社員たちの力を合わせて新しいテレビ局を作るくらいの意気込みを見せるのが一番いいと私は思う。幸い、フジテレビの中堅社員は優秀な人が多い。その手腕には期待できる。

経営をやったことのない若い社員たちがいきなり経営をできるのかと不安を言う人もいるだろうが、今までの経営陣だって経営できてなかったのだから同じことだ。

それに、日枝氏が取締役になった時は40代、社長就任は50歳だった。40年前と同じように、若い世代がフジテレビを解放区にすれば、またキー局のトップの座に返り咲く可能性もある。中途半端な変え方では、何も変わらない。

境 治 メディアコンサルタント

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さかい おさむ / Osamu Sakai

1962年福岡市生まれ。東京大学文学部卒。I&S、フリーランス、ロボット、ビデオプロモーションなどを経て、2013年から再びフリーランス。エム・データ顧問研究員。有料マガジン「MediaBorder」発行人。著書に『拡張するテレビ』(宣伝会議)、『爆発的ヒットは“想い”から生まれる』(大和書房)など。

X(旧Twitter):@sakaiosamu

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